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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十一章:歩みを止めず

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第193話:好きなように生きろ

「こっちです。走って。」

「は、はいっ.....!!」


 奴隷たちの解放は着々と進んでいる。


 が、以前、攻撃してくる奴隷もいるからな.....この場所を守るように命じられている奴隷だろう。


 ここまで混乱させられれば、自らが殺されかねない。


 それを危惧し、無心で俺たちを殺すように仕掛けてくる。


「クリス流.....!!」

「おっと.....」


 《アンダーフローズン》


 と軽めに攻撃してそれを止める。


「なっ.....!!くそっ!くそ!くそくそくそ!!!」


 めっちゃ悔しがるな.....


「サナ。奴隷たちの転送。お願い。」

「分かったわ。」


 とりあえずの転送先は中央大陸。手筈通りならシーアがそちらで奴隷たちと話をしているはずだ。


 ジャガーは人に話せるタイプじゃないし、ウォーリアは見た目からドワーフの怖い人になる可能性がある。


 魔術師の二人は奴隷の転送のためにこっちにいないといけないし、ルアは戦闘の負傷を治すために必要だ。


 ま、必然的にシーアがこの役目を受けなければならなくなった。



「さて.....なあ、なん.....」

「くっ.....!!殺せ!」


 思想が極端すぎる。


 もう少し落ち着いてくれ。


『ま、敵が無詠唱で魔術をぶっ放して来たら流石にビビる人が多いかと。』


 ふーん。そんなもんなのか。無詠唱の使い手って基本会ったことないからな.....


 魔神聖なんかはなんとなく使えそうだけど.....


「はあ.....落ち着いて聞けよ。お前、なんで俺たちを殺そうとするんだ?お前も奴隷だろう。」

「ああ。ああっ!そうだよ!だから俺たちはただの駒なんだ!いざという時に切り捨てられる。こうやって、今、殺されそうに.....」


 いや、殺そうとしてないから。


 殺そうとしてるなら初撃で全身凍らせて凍死させてるからね?


 ま、何にせよ.....


「安心して欲しいのは、とりあえず俺がお前を殺すことはないということだ。」

「は?」

「ま、とりあえずここの奴がお前たち奴隷を追えない様にはしてやるよ。好きなように生きろ。そこからは誰かを恨もうが、誰かを好きになろうが、お前の自由だ。」


 困惑したような、ただ、希望を見出したような表情をして彼は口を開いた。


「名前.....名前は.....??」

「ラーファルト・エレニア。フローハットの、このパーティーの一員だ。」


 《ディスクリート》



「ガルス流奥義」


 《一閃》



 早いな.....


『気配を消すのが上手いです。』


 ああ、しっかり強い。一太刀を見れば分かる。


「駄目だ!そいつは!」

「いや、大丈夫だ。任せろ。」


 そういえば、こいつの名前、聞いてなかったな。


 そう考えながら、彼からの心配の少しを受け取り、その上で、大丈夫だと返事をする。


 フードを深く被り、剣を構えるそいつと俺は相対していた。

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