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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十一章:歩みを止めず

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第185話:20歳の誕生日

 なあ、Sari…..おかしいと思わないか?


『いえ、何もおかしくないと思います。というよりマスターが鈍いです。』


 じゃあなんだってんだ.....!!


 俺は今日!フローハットのメンバー誰とも会ってないし、喋ってないんだぞ!!


『.....こいつ、鈍すぎるなぁ。』


 それはどーゆーこと?


 本当にどーゆーこと?


 と落ち込みながらメンバーとの集合場所にラーファルトは向かっていた。



 ーーー



 パァぁぁぁぁぁぁん!!!


 と音が鳴る。


「え?う、え?お?え?」


 と半分困惑しながら前を見渡せば、フローハットのメンバーたちがクラッカーを持ってそこにいた。


「ラーフ。誕生日、おめでとう。」


 その言葉にはっとする。


「あ、今日20歳の誕生日.....」

「忘れてるなんだろうなって思ったから。パーティーしたいでしょ。」


 見渡せば、祝う気満々のフローハットのメンバーがニヤニヤと笑っていた。


 どうやら俺のことを驚かせることができて大満足そうだ。


「うん.....ほんとに、ありがとう.....!!」




 ーーー



 わいわい、ガヤガヤとみんなで騒いでいる。


 こんな誕生日パーティーは.....ぴったり十五年ぶりか......


 と思い出しながらパーティーを楽しむ。



「昔のラーフは〜.....」


 サナからそんな風に昔のことを暴露されるのだから半分恥ずかしくて仕方ない。


「は?いや、3歳?何を言うてるの?」


 色々その話は信じられてはいないようだ。特にルアなんて何を言っているのか分からないというような表情で固まっている。



 前に俺が誕生日パーティーなんてやったのは.....5歳の時だ。


 普通は五年ごとにパーティーをするらしいが、結局色々あったせいでそれ以降は出来ていない。



 この十五年.....色々あったな.....


 手に取ったのはフィックス先生からもらった杖だ。


 その先には魔力の消費量に比例し、威力の上がる魔道具がついている。



 モルガンに貰った短剣はバースにあげたっきりだ。


 いつか、あいつとまた会える日は来るのだろうか。



 そして、エミリアに貰った筆とミアから貰った地図は敵に捕まった時に奪われてしまった。


 申し訳ないし.....結構悲しい。



 今、皆は何をしているのだろうか。


 会って話したい。


 会って、今までのことを語りたい。



 それこそサナに話したように、みんなにも話したい。


 心からそう思う。



 避難民は無事だったのか。


 別れてからどのように暮らしたのか。


 色々聞かせて欲しい。


「ラーフ。これ、私からのプレゼント。」


 サナが差し出したのは一つの包装された服だ。


「これって.....」

「ろ、ローブだよ.....い、今のローブボロボロだったから.....これ来たら.....かっこいいかなって.....あっ、ちょっとみんな!逃げないで!」


 と恥ずかしがりながら言うサナの様子を見てフローハットのメンバーが逃げていく。


 思わず、一雫の涙が溢れた。


 誰にも見られてはいないだろう。


 こんな、こんな空間が本当に愛おしくて堪らない。


 一生、この時間に囚われていたい。


「サナ。ありがと。」


 そう考えて、サナにお礼を言った。

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