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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十章:再会

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第159話:自然と笑える世界

 サナが目を覚ましたと聞いてフローハットのメンバーはすぐに集った。


「あら、ラーファルトったら目をそんな腫らして.....」


 とシーアがからかってくる。泣いた痕跡が残るってなんか嫌だな.....


「うるさい。」

「沢山泣いたもんね。」


 シーアにそう返すとサナがそう言って自分の腫らした目を恥ずかしげもなく見せつける様にしていた。


「全く.....」


 と呆れる様な仕草を見せたが、内心は呆れるなんて微塵も持っていない。


 こんな会話をしておいて泣くことを悪いと思っている人なんてここにはいない。


 だが、ジャガーで己は泣くまいと我慢している様でプルプルと震えていた。


 もうほぼ泣いているのだが、悲しいことにジャガーについては誰も触れない。


「なんにせよ、ラーファルトはサナに弱いことが良く分かるわい。逆も然りだが。」


 え?


「俺がサナに弱い?」


 ジャガーの様子を無視して俺にそう発言したウォーリアの言葉を繰り返す。


「うむ。弱々じゃわ。」

「まじかよ.....」

「わ、私もラーフに弱い.....って.....」

「お主いつも私が子供の頃は〜って.....」

「わぁ〜!!ストップ!ストップ!」


 サナは何か言おうとするウォーリアの発言を慌てて止めた。


 正直気になる。


「まあ、何はともあれ皆無事で私は良かった。」


 唐突にルアがそう言った。


 俺とサナ.....元々ミサール・ノイルとライナであった俺たち。


 姿は変われど、その心はこのパーティーにあった。


 全員が戻って来たという実感が湧いて、すごく安心する。


「みんな.....ありがと。」


 そうポツリと恥ずかしがりながらサナはそう言った。


「おお、い、いいってことよ.....!!」


 ジャガーがうわずった声で初めに発言したことも相まって全員が笑い始める。


 今まで泣いているのを気付かないふりしてあげていたのに自分で墓穴を掘ったのだ。



 みんな泣いていた。


 みんな笑っていた。



 この雰囲気が心地よかった。


 ここが自然と笑える世界だ。


 久しぶりに何も考えずに笑えている気がする。


 ラーファルト・エレニアとして人生を楽しんでいる。


 そんな感覚に見舞われる。


 こんな世界が永遠と続けばいい。


 そう願わずにはいられなかった。



 ーーー



 さて.....


「準備は大丈夫ですか?」


 そう俺が聞けば全員神妙な面持ちで頷いた。


 サナが目覚めてから一週間。


 彼女の体調も戻り、本調子になりつつある。


 そして今日は人里離れた森にまで来ている。


『「解き」と唱えることで元の大きさに戻せます。封印自体は解けません。』


「解き。」


 そう唱えると同時に俺のしているブレスレットが光初めた。



「十日はどれぐらいの長さだった?」


 目の前に現れた彼に俺はそう尋ねる。


「なあ、オアフ帝王。」

「.....」


 目を伏せ、何も教えないというような表情をしているそいつに俺は質問を始めた。

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