第157話:封印
更新遅くなってすみません!!!
シーア視点
「アリス流!空虚!」
《正練!》
目の前にはオアフ帝王。
私の攻撃は読まれている。
私の技に対し、対応を完全にしている。
が、私はここで終わらない。
終わらせない.....!!この技が来るとは.....思うまい.....!!
「オアフ流!極龍!」
《蛇遁!》
私の放った技が敵の懐に飛ぶ。
血が剣から滴る。
「これは.....」
「ふぅ......!!」
息を整え、再び動き始める。
下手をすれば逆に私が死ぬ諸刃の剣だ。
だが、やらない理由は無かった。
敵へ与えたダメージは致命傷にはなり得ないものだ。
だが、それでも私の一撃は敵に多大な影響を与えたのだろう。
「お陰で.....動きが鈍った.....!!」
その声の主.....ラーファルト・エレニアは杖を構え、勝利の見えた顔をしていた。
ーーー
ラーファルト視点
敵の動きは鈍った。
それに今戦っていて分かったこともある.....
『命の契約の力を扱う敵への私たちの攻撃では倒すことは現状不可能です。』
そう。俺たちの攻撃では火力不足。
なら.....封印をする.....!!
『指輪に魔力を流し込み、縛縄を生成して下さい。』
ああ.....!!任せろ.....!!
《縛縄!》
ラーファルトのつけている指輪。
ジェットと共にカリストの街で買った指輪だ。
魔力を流し込むことで必要なものに変化させることができる。
魔力を流す余裕が敵の動きが鈍くなったことでできたのだ。
あとは.....発動条件を満たすだけ.....!!
『発動条件は傷をつけた部分にこの縄を当てることです。』
了解!
「ジャガー傷をつけるぞ!!!」
「ああ!任せろ!!!」
ジャガーの目は据わっている。
戦いのイメージが完璧に頭に入っている。
戦況を見て判断している。
ならば俺はそれに合わせる.....!!
「ガルス流!急手!」
《光剣!》
敵に傷をつけるための速度のある技だ。
「敵を倒す」というワードではなく「傷をつける」というワードを選んだ俺の意図を考えているのだ。
俺はそれを支援するのみ.....!!
《マッドスピアー!》
敵の足元に攻撃を放つ。
傷は入ったが、この距離では縄を当てられない。
つまりこれは俺がジャガーと共に近づくための時間稼ぎ.....!!
「オアフ流!」
《燐筒!》
オアフ帝王は炎を纏って俺とジャガーの方に攻撃を放って来た。
威力、速度共にもちろん高威力。
それほど俺の《縛縄》を警戒しているのかもしれない。
だが、俺がこれを外せばそれこそ後はない。
ジリ貧で負けるだけだ。
《雷砲!!!》
ありったけを敵に向かって放り込む。
敵の動きは止まった。
が、すぐに弾かれる。
それでも.....!!
「ガルス流!龍麟!」
《黎明剣!》
何かその技の響きに懐かしい香りを感じた。
そのジャガーの攻撃は敵に傷を負わせている。
ここしかない.....
《ムーブドウインド!》
「オアフ流!」
《終叫》
それは死に際の雄叫びのような技だった。
死んでたまるかとでも言うような技。
だが、こっちも負けてられないのだ.....
意地でも、俺が死んでも絶対に当てる。
いや、当てなければならない。
フローハットのメンバーはそれぞれこの技に耐えている。
「水は我の心にあり。心に我の真理あり。我の望む形に水よ応えよ。我の全てを、我の全てを守り抜け。」
「クリス流!水遁!」
《流守!》
ウォーリアは自分だけではない。サナを守っている。
それぞれ、責務をこなしている。
ならば、俺も責務を全うしろ.....!!
信頼に応えろ.....!!全員で生きろ.....!!
「うおおおおおおおお!!!」
《風襲!》
覇倒級風魔術。
任意の場所に風を起こし、それを爆発させる。
これで、敵の攻撃をレジストする。
「俺の大切なものを全て!守り切るんだ.....!!」
オアフ帝王に驚きと焦りの表情が見える。
『入縛と詠唱を。』
「入縛。」
そうして俺の振るった《縛縄》が敵の傷に触れた。