第132話:ライナ
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ライナ(◾️◾️・◾️◾️◾️◾️◾️◾️)視点
「.....よし、帰ろうか。」
「な、何やってるの!ミサールは動いちゃだめでしょ!」
帰ろうとする彼を止める。
彼の本当の顔。
それがラーファルトに見えたのだ。
正直、確証は持てない。
それでも、無詠唱魔術を使えて、剣も使える。
それに.....杖をあまり使わない戦闘スタイル。
多分持ってるんだろうけど出したのを見たことがない。
それにラーファルトは剣を持っていた筈だけど、今は持っていない。
単純に剣が折れた可能性はあるけど、ミサールは魔術師だから、剣を折られる可能性は低い。
分からない。
真実がどうであろうと聞くのが怖い。
「ライナ.....??」
「あ、ううん。ミサールはそこでじっとしてて。私、ルアを呼んでくるから。」
「あ、え?ちょ、ちょっと!」
「今、この時、目前に道は開かれる。見えぬものを感じ、聞こえぬものを知覚し、己を知り、祈りを捧げる。世界を繋ぎ、異空と交信し、標を示せ。我の描く世界よ。廻れ。進め。新たなる道を創造せよ。」
《トアブルック!》
よし、ワープゲート完成。
「待っててね。」
そうミサールに声をかけ、ゲートの中を私は走り始めた。
困惑した表情のミサールはそこに座り込み、考え込んでいた。
ーーー
ゲートを走りながら私は考える。
昔のことだ。
「ラーファルト.....」
彼は私を救ってくれた。
ラーファルト・エレニア.....私を救ってくれた人。
ミサール・ノイル.....私を救ってくれた人。
ラーファルト・エレニア.....それが私の探し人だ。
もう一度、彼に会いたかった。
十五年。その年月が経過していた。
もし、彼がラーファルトだと分かるなら、私はすぐにでも正体を明かしたい。
再開して抱きしめたい。
この嬉しさをラーファルトと分かち合いたい。
正直、心のどこかでラーファルトにはもう会えないと思っていた。
もうずっと好きだった。
それでも、ここ三年ほど彼についての情報が一切入らなかった。
だから、ミサールのことを好きになったのだろう。
優しくて、案外世話焼きで、強くて、仲間を大切に思っている。
そんな、ラーファルトに似てる人だという理由なのだと思う。
それが本人だというなら納得だ。
私は同じ人を好きになった。
ゲートの出口が見えてきた。
「ルア!!」
ルアは特に何もせず一人でごろごろしているようだった。
「ミサールが.....」
ミサールが私の探し人だったかもしれない。
そんな言葉を飲み込む。
「分かった。今行こう。」
私に勇気が欲しい。
ミサールにラーファルトなのかを聞く勇気を欲しい。
でも、私にそんなものはないから。
臆病な一人の人間だから。
もし、本当にラーファルトだったら。
それが分かったら。
今度は好きだと伝えようと思う。
そう考えて私はルアを連れ、ミサールの元へ向かった。
14浪生転生記
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