第124話:初デート
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「ねえ、ミサール。これなんてどう?」
「か、かわ......うん、いいと思う。」
か、可愛すぎる.....!!
という心の声が漏れていたが許してほしい。
ライナが可愛すぎるのが悪いんだ。
いつもと少しベクトルの違う服装が目の保養になっている。
服を選ぶ彼女の表情一つ一つに脳を叩かれたような破壊力があった。
で、なんでこんな状況になっているのかというとそれは昨日まで遡る。
ーーー
「ふう.....倒したわね。」
「今日はシーアの動きが良かったな。」
「ああ、攻撃しやすくて助かったぜ。」
という風にストレンジバットとの戦闘について、簡単な反省のようなものをみんなで行う。
「そういえばライナ、服破れてるわよ。」
とその流れのままルアがそれについて指摘をした。
「あれ、ほんとだ。この服動きやすくて気に入ってたのに.....」
本人も気がついていなかった様子だ。
「すまんな、俺が防ぎきれて無かったってことだ.....」
ウォーリアがライナへ謝罪の表情を見せるがライナは焦るように首を振る。
「全然大丈夫だよ。私も気づいて無かったし.....とりあえず何か買いに行かないとなぁ.....」
「じゃあミサールに着いて行ってもらえば?」
え、いやなんでそうなんねん。
と思わずエセ関西弁でのツッコミが入る。
「服を買うなら趣味の合う人で行った方がいいですよ。」
俺センスないしな!悲しいことに.....
「い、いや、私は別にいいけど、そのミサールにも予定が.....」
「ミサールに予定なんてある訳ないわ。」
とシーアが酷い物言いをしてくる.....
「俺にだって予定は.....予定は.....」
予定.....無くね?
Sari?なんかあるっけ?
『ありません。』
「予定.....予定.....」
「シーア.....地雷踏んじまったな。」
「え、そんなつもりじゃ.....」
と、半分放心状態のミサールを見てジャガーが笑いながら言う。
ミサールが中々にショックを受けているこの状況で笑うジャガーの度胸も中々ではある。
「えっと、ミサール〜ミサール〜おーい。」
「.....よて.....ん?あ、何?どうかした?」
ライナに呼びかけられたことでミサールはやっと平常に戻る。
「よ、予定ないなら、その、い、一緒に服選びに行こ?」
「わ、分かりました。行きます。行かせて頂きます。」
予定ないの悲しいし.....
ーーー
「確か10時に冒険者協会前集合って.....」
少し早く来過ぎたかな.....
Sari…..今、何分前?
『.....1時間24分前です。』
うぅ.....遅れるの怖いもん。
だって.....後々冷静に考えたらこれデートじゃん.....ということに気付いてしまったのだ。
男として遅れる訳にはいかない!
うーん....
まだかな.....
まだかな.....
Sari!あと何分.....?
『はあ.....1時間20分前です。』
ため息を吐きながらSariが教えてくれる。
仕方ないじゃん!緊張してるの!
呆れないでよ!Sariさん!
「ミサール?」
「あ、う、あ。」
「ふふ。緊張してるね。」
一瞬でバレた.....
「でーと。」
「え.....」
「冷静に考えたらデートだもんね。」
「な、な.....!!」
なんてこと言ってくるんだ.....!!
そんなの分かってるから!
「それが分かってるから緊張してんじゃん!」
「へぇ.....」
ライナが観察するように俺の服装を眺めてくる。
「その割には服装が.....」
「それは.....こういう服しかなかった訳で.....」
俺の今の服装は殆どいつもと変わらない。
十年仲間なしで生活して来たのだからファッションというか、服装に拘らなくなるのは当然といった所だろう。
「ふーん。じゃあどう?私の服装?」
と言って、回転しながらライナは俺の方を見る。
いつも敵と戦う時とは違い戦闘に向いて無さそうな服装だ。
肩出しで.....ちょっとしたドレスのような感じ.....
こういう服装の名称なんてよく分からないけど.....
「.....天使」
「え?」
「あ、いや可愛いよ。可愛い。」
幸い天使の部分は聞こえて無かったようで、言い直す。
「ん。そ、そう。い、行きましょう!」
可愛いと言われることは予想してなかったのかもしれない。
ライナが顔を赤くして背中を向けて歩き出した。
かわいい。
そりゃ天使って言いそうになってから可愛いって言うことのハードルは低いですからね。
こうしてラーファルトの人生初デートが始まったのである。
ーーー
「あの二人ぁ、やることやっんのか?」
「多分大丈夫だろうな。あの様子だし。」
「それについてはライナが.....ゴニョゴニョ.....」
「ええ、私も聞きましたっていうか気付いてたので質問しましたけど。」
「なら大丈夫だろうなぁ。くっそ、いちゃいちゃしやがって!」
と酒場で喋る二人以外のフローハットのメンバーであった。
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