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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第九章:過去を見つめて

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第121話:共有

投稿頻度少し悪くなります

遅くなってしまい申し訳ありません

「全く.....ミサールはとんでもないことに関わっているのね.....」


 とライナから言われた。


「まあ成り行きというか、仕方なかったというか.....」


 それは本当だ。


 別に関わりたくて関わったわけではない。


 なんなら神と戦うなんて好んでやることなわけない。


「仕方なかったんですよ。」



 ーーー



「俺は.....」


 仲間に話すか。


 その問いに俺は口を開いた。


「話します。」


 仲間だから、共有しておきたい。


 仲間だから守るんじゃなくて、共に戦って欲しい。



 今、ラーファルトはそう感じていた。


 以前のラーファルトなら感じなかったようなことだ。


 仲間を出来る限り守って、先頭に立って、時に傷つく。



 そして、倒れそうになった時、後ろから倒れそうになる俺を支えてくれた。


 そこでやっと隣に並び立って戦った。



 それがミルとジェットとの旅だった気がする。



 今の俺は.....その旅でいいのだろうか?


 あの旅を否定するつもりもない。


 批判させるつもりも毛頭ない。



 でも、今の俺に相応しいのは.....



「初めから対等に、話しておきたい。もちろん、俺がラーファルトだってことは内緒だけど。」


 まあ、そこに関してはライナたちも本名を隠している感じだから大丈夫だろう。


「いいでしょう。あなたの考えを尊重します。」


 ラーファルトの考え全てを読んで、ソウリエがそう答えた。



 ーーー



 世界のこと。


「世界の真実」とも言えるそれをライナたちは食い入るように聞いていた。



 全てを聴き終えてのそれぞれの反応は様々だった。


 混乱している様子、考え込む様子、分析する様子、楽しむ様子、そんな感じだ。


 初めて俺が世界の真実を知った時もこんな感じだったのだろうか。


 その時の記憶はあまり鮮明でないが、きっとそうだったのだろう。


「全く.....ミサールはとんでもないことに関わっているのね.....」


 とライナが言った。


 笑顔で言っていた。


 言葉とは裏腹に負担になんて考えていない表情だった。


「まあ、成り行きというか、仕方なかったというか.....」


 本当のことだ。


 神と戦うなんてしたくない。


 当たり前だろう。


 少なくとも今、死にたいとは思っていない。


 生きたい。


 でも、幾らかは関わって良かったと思える。


 今、仲間だと実感できたから。


 仲間を感じられたから。


 それなら、俺が世界の真実に関わっても少しは悪くないと思える。


「にいちゃん.....ミサールよぉ、負担になるとか考えんなよ。きついことも、嬉しいことも、何もかも共有して、協力して、助け合って、壁を乗り越えて。そういうのをひっくるめて仲間なんだぜ。」


 ジャガーがそう言って俺の方を見る。


「ジャガー.....みんな.....」


 全員が俺の方を見ていた。


「はは。まあジャガーは助けられる側だけどな。」

「なっ!ウォーリアちょっと黙ってくれ。」


 確かに、ジャガーはまだまだ未熟な剣士だし、俺がむしろ助ける側だな。


 だが.....悪い気分じゃないな。


「話は済んだようですね。何にせよ渓龍討伐の任務を無駄足にしてしまいました。申し訳ありません。」

「あ、いえ、大丈夫ですよ。」

「ええ、私たちもこの任務に時間を使った訳ではないので。」


 ライナとシーアがそう応答した。


「ありがとうございます。旅の安全を願っとおります。」



 こうして、俺たちの冥界の谷での任務は終わりを告げた。

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