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第120話:冥神の封印

更新遅くなってすみません!

「なるほど、調停者ね。」


 それなら渓龍に攻撃を止めるように言うことも可能だろう。


「調停者について疑問はないんですね。」

「ああ、前の旅で他の調停者に会ったことがあったからそこら辺の事情は把握してるよ。」


 調停者は調停の技を操ることができる。


「そうですか。幾つか聞きたいことがあるのですが。来てもらえますか。」

「え、あ、はい。」


「少し、離れます。調停の技」


 《霹空》



 ーーー



「ここは.....」


 祠か?


 何かが祀られている様な場所だ。


「先程の戦いでは、私が冥神と戦わなければなりませんでした。申し訳ありません。」

「いえ、それは。いいんです。」

「ルーナにもお礼を言っておかなければなりませんね。あなたに技を教えていてくれて助かったと。」

「ああ、そうですね。ルーナか。懐かしいな。」



 いや…..待て.....


 ルーナ.....??


 俺はルーナの名前なんて.....


「ラーファルト・エレニア。」


 驚いて目を見張る。


 だが、俺はそんな種族を俺は知っている。


 相手の情報を知れる種族。


「エルフォ族.....か何かですか?」

「ええ。そうです。申し訳ありませんが、全て見させて貰いました。」


 何もかも筒抜けというわけか。


「今知りたいのは、冥神についてでしょう。」

「分かってるくせに、聞くんですね。」


 そう返すとふっと笑いながら彼は口を開いた。


「まず、初めにまだこの話はライナたちあなたの仲間にはしていません。」

「.....どうして?」

「世界の存続に関わる可能性があるからです。」


 確かに.....ルーナの時もそうだったが、調停者のいる地は神に関わることが多い。


 実に、十年ぶりと言ったところなのだが.....


「まあ、それは一旦置いておきましょう。冥神について、語らせて頂きます。」



 ーーー



 冥神。


 それは強大な力を持つ神だった。


 肉体と魂を分けて考えられる力を持っていた。




 だから、彼は冥界の門と冥界の狭間に閉じ込められた。


 時間をかけなければ倒せないと判断したために、封印した。


 冥界は死者が進む地である。


 冥界の門はそれに続く道。



 普通、それはこの世と繋がらない。



 一つの場所を除けば.....冥界の谷を.....



 ーーー



「冥界の門.....それがあの逃げ込んだ場所ですか?」

「ええ、あの門で間違いありません。」


 そうか.....あれが。


 冥界の門が開く地。それが冥界の谷。


「ここはどこよりも低い土地なんですよ。だから門が開く。地中深くに冥界は存在すると言われてますから。」



 あれ、でも冥神は冥界に捕えられたって神話で.....


「冥界の門と冥界の狭間は曖昧な場所ですからね。冥界と呼ぶことも出来るでしょう。ただ決定的な違いは、冥界に入ればもう戻れないことです。」


 なるほど。


 だから、狭間。


 まだ引き返せる地だってことか。


「冥神は冥界内に進まなかった訳か.....幾年も閉じ込められていたら気が狂いそうだが.....今後もこんな感じなことが起こる可能性はあるのか?」


「十分にありますね。私も気をつけなければなりません。」


 もう狙われたくないんだけどなぁ.....もう一度出てくればあいつは俺のことを探し回ってくる気がする。



「かといってそうそう起こる訳ではありませんから。今回のもイレギュラーで、この幾年で初めてのことなんですから。」


 なら、その方法って?


「とうとう面倒で喋らなくなりましたね。まあいいでしょう。」



 ーーー



 冥界の門は入る為に肉体を持ち込むことは可能ですが不必要。


 逆に出る時には必須。



 死者は微少な魂が冥界の門に入る。



 が、今回は違う。



 死んだのは渓龍。



 渓龍は、人々の間には忘れ去られたが、冥界の谷.....つまり冥界の門を守る為にいる。


 それが殺された。


 冥界の谷で殺されたのだ。



 渓龍の前で冥界の門が開いた。


 肉体と魂が入って来た。



 それが冥神にとって最大のチャンスとなってしまった。



 ーーー



「という訳です。」


 なるほどねぇ.....


「本来の役割を忘れ去られた渓龍を殺してしまった.....」


 そこが冥神復活の発端か.....幸い、再び封印出来たことで被害は少ないか.....


「ここからは俺の持論で仮説なのだが.....創造神が裏で手を引いている可能性があり得ると思っている。」


 創造神.....原初の.....最強の神。


「なんでそういう考えに.....??」


「冥神は創造神の手札の一つだった。十年前、呪いの森では世界樹の根が現れ、暴走した。八年前、世界の魔力濃度及び、魔獣発生率平均が上昇していることが判明した。五年前、深海で異常な魔力を観測した。三年前、渓龍が初めて討伐された。一年前、初めて調停者の一人が殺された。半年前、世界の魔力濃度が再び上昇していることが判明した。三ヶ月前、全世界上空で空間の歪みを完治した。そして、今日。」


「冥神が復活した.....ってことか.....」


 と俺は言葉の最後を持っていく。


 確かに、俺の関わった呪いの森での事件から世界に関連するような事件が多発しているように思える。



 創造神か.....


「どうして創造神なんだ?」 


「創造神でないとこんな大胆なことは出来ません。創造神以外がこんなことやっても、それこそ、創造神自体が目障りに思う可能性が高いです。」


 確かにそれは的を得ている。


「とにかくそれについて納得はできた。それで、何をして欲しい?」

「特にして欲しいことというのはない。今回はただの注意喚起といったところです。」


 いや、なんもないんかい。


 と心の中でツッコむ。


 ただ、そういうのもエルフォ族の彼には聞こえているのでじっと見られた。


「とにかく、何か起こったら助けを求める可能性は承知していてください。ラーファルト・エレニアはもう世界に関わりすぎていますので。」


 確かに、調停の技もなぜか使えるしな。


「分かった。協力するよ。」

「お礼と言っちゃなんですが、これをお前に渡しておきます。」


 ペンダント.....??


 なのか、そんなものを渡される。


 赤い宝石が埋め込まれたものだ。


「何かあったら魔力をこめるんだ。俺に繋がる。逆に俺からの連絡を来れば分かりますから。」

「了解した。」


 世界について.....か。


 大きなことに巻き込まれた感じだな。


「その大きなことにあなたは仲間を巻き込む勇気はありますか?」

「え?」

「仲間にこらを話しておくか?ということですよ。」


 そう問いかけられ、俺は言葉迷わず口を開いた。


「俺は.....」

次回は明後日に更新予定です

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