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第118話:落とす

 

「これで治療は終了です。」

「ああ、ありがとう。」


 さて.....どうやって冥神を倒すか.....だな。



 …..シーナ、ライナ。作戦がある。


 比較的敵に対して引いていたシーナと、剣術への影響を加味してあまり攻撃をしていないライナへSariを通して話しかける。


『作戦って?』


 冥神を一撃で倒す。


 協力して欲しい。



 恐らく、ウォーリアとジャガーは何も言わなくてもある程度の合図でなんとかなる。


 二人の今の戦いぶりにはそれほど目を見張るものがある。


 だが、それでも冥神には届かない。


「全く.....神ってのは面倒だな.....」


 作戦はこうだ.....




 ーーー




『ジャガー.....』


 そう声を呼ぶだけで.....


 彼は応えてくれるだろう。



「見切り」


 《合わせ太刀》


 完璧だ。



「調停の技」


 光に焼かれろ。


 過去の亡霊。



 《天光》


 天から光が舞い降りる。


 ルアの作った結界をも破壊する。


 全てを焼く光が敵を敵を捉えた。



 天光。


 ルーナが世界樹の根を焼くために使っていた魔術だ。



 俺が知る限りそれは全てを焼き払う最強の光。


 だからこそ、打つのには時間がかかる。



 自身に宿る魔力を練る。


 デスマジックパワーの様に放出するのではない。


 集める。


 一つ一つ丁寧に魔力を集合させる。


 その過程を経て、魔力を空の彼方へ飛ばす。


 知覚できるかも分からぬその遠い遠い場所から魔力を一点に放出する。


 練られた魔術は光り、熱を持ち、敵を捉えるのだ。



 通常の戦いではこんな技出す余裕はない。


 が、今は違う。


 仲間に耐えてもらって、余裕のたっぷりある状況だった。



 ここで、決める。


 決めなければならない。


「うあ、あ、あああああああああ!!」


 敵はそう叫び、苦しそうにしている。


 いい.....それでいい.....!!


 冷酷に、冷静に、慈悲など与えるな。


 与えたらこちらが死ぬ。


 そういう戦いだ。


「ぐあああああ.....この.....!!」


 逃げようとするのは想定内だ。


「ライナ!」


「大地を司る神よ。そこに無き物を、創造をこの世に実現したいこの思いを受け取りたまえ!我の思い描く世界を構築したまえ!強大な力を我に与え、大地の全てを支配する程の支柱を、芯を持たせたまえ!」


 《ビルド!》



 ライナの放った魔術が敵を閉じ込める。


 ここから出すことなどさせない。


「うぐっ、貴様あああああ!!!」


 《ソウルデリート!》


「.....!!衝撃波.....!!」


 ビルドが壊された。


 まずい.....!!


「くっ.....!!」


 《天光!》


 威力を更に強める。


 敵の膝が地についた。


「はあはあ.....!!」


 敵は息遣いを荒くしながら手を掲げた。


「はあ......死ね。」


『魔力弾が来ます!警戒を!』


 魔力弾!まずい.....!!


 色を帯び、周囲の空間を歪めるその技が俺に向かって放たれる。


「くそ.....!!」


「アリス流奥義」


 《空打》


 剣をしならせ、軽やかに、柔らかく。


 そんな剣術が目の前で使われた。


 魔力弾がシーナの剣術に抱擁され、やがて消えた。


「あなたの言った作戦通よ。頼むわ。」



 ーーー



『作戦はこうだ。俺の攻撃をあいつに当てる。その攻撃には準備も体制も必要なんだ。条件は敵を俺の射程から攻撃中に逃さないこと、そして、相手の反撃を防ぐことだ。頼む。協力してくれ。』


『ええ、分かったわ。』

『勿論。』



 ーーー



 最高だな。


 やっぱ、仲間っていいもんだ。


 《天光》


「焼け死ね。」

「う、ぐっ!貴様ら.....!!この.....!!」


「.....くそっ.....開け。」


 《冥門》


 地獄にある様な見た目のそれが目の前出現し、開く。



 ドア.....??!!逃げるつもりか。



 《ソウルクロス》


 途端に敵の体が倒れた。



(いずれ、またお前の元に現れる。)


 そんな声がしたかと思うと、ドアが閉まった。



 天光をやめ、俺はそのドアへ近づく。


 《ルームフロア》


 光の結界を解除してしまったので俺は明かりをつけようと炎を起こした。



「キュあらああああああああああ!!」


 鳴き声がした。


 上からだ。


 上.....??!!


 鳴き声.....!!


「龍.....!!渓龍か.....!!」


 それが俺たちの上空を飛び回っていた。

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