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第112話:冥界の谷

「ここが.....冥界の谷.....」


 ここって.....来たことある場所だ.....


 一人で魔大陸を旅しているときに来た場所だ。


 そうか、ここって冥界の谷って名前だったのか。


 でもSari…..それなら行ったことあるって教えてくれても.....


『魔大陸にはこんな殺風景の谷なんて幾らでもありますから言ったとしても分からないでしょう。』


 論破された.....


 確かにこんな見た目の谷ならたくさんあるな.....



 まあ、それは置いておくとして、今俺たちがいるのは谷の上。


 ここからではあまり他の谷との違いが分からないが.....


「深いわねぇ.....」

「ああ、底が見えんなぁ。」


 と他の人も感嘆しているようだ。



 底の見えない谷。


 下の方は暗闇に覆われているのだろう。


 暗い分面倒なこともあるけれど.....



「これだけ深ければ日光は届きませんね。私が光の結界を張りましょう。」


 とルアが話す。


 暗ければ野生の本能的な攻撃をする渓龍が断然有利に決まっている。


 なら、それを拒む理由はなく、全員が納得した表情を見せる。


「それじゃ、降りたいけど.....どうやって降りるかしら?」


「足場を魔術で作って降りるのが懸命ね。」


「あ、それなら.....僕の魔術で一瞬ですから。」



 俺はこの谷に一度来たことがある。



「調停の技」


 《霹空!》


 瞬きするとそこには暗闇が広がっている。


 前来た時と光景は変わらない。



 何も見えない。



 そういえば渓龍になんてあの時は遭遇しなかったな。




「ルア!光の結界を.....」


『後方より攻撃。即時最大防御を提案します!!』


 《ディスクリート!》


 反射的にした防御はその攻撃を弾く。


「渓龍じゃない.....!!誰だ.....!!」


「我は冥神ハデス。冥界を治めし者。」



「暗きこの世に光よ注げ。この身を照らせ。この世界を示せ。」


 《光の結界!》


 ルアの結界により光が降り注ぎ、敵の姿が明らかになった。



 全身が血まみれ.....


 角を頭にはやし、爪は獣のように伸び、目は人間の色をしていない。


 紫の目。


「こりゃ、冥神でも納得だな.....」


 全員の表情に緊張がはしる。


「ねえ、聞きたいんだけどどうしてここに?」


「あ?殺すぞ。」


 こっわ。


 なんだこいつ。


 てか冥神ってどんな奴なんだ?


『神話では創造神コスモスの仲間として登場しています。その強さは海神ポセイドンも認めているとの記述です。』


 海神.....ポセイドンか.....


 確かその当時の最強格の神だったな.....


『最も厄介な能力として精神体が挙げられます。魂と肉体を切り離して考えることが出来たようで、これにより肉体が致命傷を負っても死にません。』


 面倒な能力だな.....


 最終的にどうやって倒したんだ?


『陸神によって地中深くに封印されました。』


 じゃあ封印が解けたってことか.....


『いえ、その様子ではないですね。敵の肉体、あれは冥神の物ではありません。恐らく渓龍です。』


 魂と肉体を分けて.....乗り移ったってことか.....!!


「それじゃ、やるか.....この肉体慣れてないけど。」


 うん、発言的にもそうっぽい。


 渓龍が俺が前来た時にもいなかったのは同じ理由なのだろうか?



 ブレス.....!!


 《ウォーターフォール!》


 水技巧級魔術でを降らせて止めたいが.....


 このままでは圧で無理やり破られる.....!!


 《ウォーターエクスプロージョン!》


 自身の魔力がこもった水を爆発させられる。


 大量の水の威力は敵のブレスをも跳ね返した。


「今.....!!行け!」


「ガルス流大剣!」


「馬鹿め!」


 敵はそう言うと手刀で空気の斬撃を繰り出す。


 手刀で攻撃って.....やはりこいつは化け物級の強さだな.....!!



 大振りで火力に特化した攻撃をジャガーは放とうとしている。


 だが、その攻撃は防御が出来ない。


 それでもジャガーはその技を選んだ。


「アリス流赤兎馬」


 《渡守!》


 敵の斬撃が技を放ったシーアの剣に乗った。


 と思えばその斬撃がそのままの勢いでジャガーの剣に乗る。



 バフみたいなもんだな.....!!



 が、敵は落ち着いて防御の体制に入ろうとしている。


 《ローリングでレイン!》


 後方からライナが魔術を放った。



 敵の足場が巻き、体制を崩させる。



 いつ詠唱を言ったのかは分からないが、この状況を読んでいたのだろう。



 このパーティーで長い間連携しているからこそ出来ることだ。


「チッ.....!!」


 敵は短く舌打ちをしながら顔を歪ませる。


 《雷光!!》



 ジャガーの渾身の一撃がハデスへ伸びていった。

更新不定期になりがちですみません!

次回は5月31日更新予定です!


ネトコン運営様より感想頂きました!ありがとうございます!


これからも14浪生転生記をよろしくお願いします!

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