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第8話

第八話


ルネーシャの名所の滝を越えた深い森の奥にある山岳。

そこを登る青年の体は生々しい傷が刻まれており、背負っている木は人間クラスの重量。

断崖の頂上に着くころには全身に汗が滝のように滴り落ちる。

「それじゃあ、今度は川から水を汲んで来て。」

本を読みながら登ってきたばかりの青年にすぐさま、次の用事を口にする。

青年は縄で樽と体を縛ると下山していく。

そして、再び頂上へ。

「よく、三ヶ月耐えたな。感心感心。」

満面の笑みでツヴァイの肩を叩くバーン。

「次は?」

紙と鉛筆をもったバーンは何かを書き始めた。

「今日からは今までのトレーニング+勉強だ。」

嫌そうな顔でツヴァイは岩を担ぐ。

その重さは先ほどの木や水以上。

バーンは書いた紙を見せながら説明をしていく。

「では属性から説明する。

 まず、基本の4大属性と言われるのが 火・風・水・地。

 相性が悪いのは 火と水 風と地。

 相性が良いのは 火と地 風と水。

 そして、それぞれの属性の特徴だが・・・紙を見てくれ。」


火・・・近距離パワー型

水・・・中距離バランス型

地・・・中距離ガード型

風・・・遠距離スピード型


「俺は地属性だから・・・中距離ガード型?」

「そういうことになるな。」

「中距離って?」

「相手に対する攻撃や防御の際の適度な距離のことだ。

 ガード型とは、そのままの意味で地属性の者は守りが一番強いのだ。」

「攻撃は?」

「力で言えば火属性の能力者のほうが分がいい。

 この割合はLvで説明しよう。」



火・・・力(近)Lv10 守りLv8  素早さLv6 力(遠)Lv4

地・・・力(近)Lv8  守りLv10 素早さLv4 力(遠)Lv6

風・・・力(近)Lv4  守りLv6  素早さLv8 力(遠)Lv10

水・・・力(近)Lv7  守りLv7  素早さLv7 力(遠)Lv7


「水属性は均等っすね。」

「攻め、守りの両方がバランスよく、すべてにおいて応用が利きやすい

 唯一の属性だからな。どれかが飛びぬけてないというデメリットもあるが。

 まあ、これは全て仮設定であって、数字はいくらでも変動すると考えておけ。

 水属性でいえば、オール4の人もいればオール8の人がいるかもしれない。

 本人のポテンシャルもあるが大部分は努力だろうな。」

「あれ?自分の属性以外は使えるんすか?」

「いいところに気づいたな。

 たしかに得意属性以外も使うことが可能だ。

 割合は%で説明しよう。」

「なんで?」

「作者に聞けよ。説明するぞ。」


火属性者・・・火100% 地 80%  水  0%  風 60%

地属性者・・・火 80% 地100%  水 60%  風  0%

水属性者・・・火  0% 地 60%  水100%  風 80%

風属性者・・・火 60% 地  0%  水 80%  風100%


「地属性の俺は風の精霊の力は使えないんすか?」

「うん。これは絶対無理。でも、例外がある。」

「?」

「光・闇の属性だ。

 すべての属性の光の部分、闇の部分を扱うことができるといわれている。」

「いわれている??たしかな情報なんすか?」

「いや~この手の属性者がほとんどいないために全然詳しく調べられてないんだ。

 故にレアな属性者だな。とくに光属性は。」

「闇は?」

「のびたの暗黒王・こすずめの闇属性でかつて痛い目にあった経験がある。

 しかも王直轄部隊の獣神の称号をもつ7人もバリバリの闇属性。

 わしは未だかつて光属性者は見たことも聞いたことも無い。

 そういえば、あまり知られていない属性で 氷・雷 の二つがあったな。

「それも・・・よくわかってないとか?」

「正解。だって、属性者が少ないんだ!!

 しかし、四大属性に含まれていないということはこの属性は独立したタイプと

 考えられている。有力な情報としては、水と地の間で氷属性。火と風の間で雷属性だ。

 まあ、頭の隅にでも置いといてくれ。そして、次が武器や防具についてだ。

 武器や防具にも属性がついており、所持者の力を増やしてくれる役割を果たして

 くれるものもある。代表的なものは、各国の王が扱う神刀だな。

 属性のことを考えず自分の属性と反対の属性のついた武器をもつと武器の威力も半減

 して、所持者自身も力が下がることもあるから注意するように。

 ちなみに武器は使えば使うほど威力がレベルUPしていく

から訓練は欠かさずするべきだ。

 鍛冶で作られた武器などを装備すると特殊な力などがついていて

すぐにパワーアップできる。

 また、自分の力で作り出した武器などは自分で特殊な力を作り出すことができる。

これらにも弱点があり・・・。」

「道具などに力が備わっているとすぐに力がUPするけど、壊れたりしたら

 かなりのパワーダウン。道具自体を作りだすと壊れても何度でも作り出せて

便利だが体力や精神力の消耗が激しいとか?」

「うむ。大体、正解。

残りの大きなデメリットとして取り上げられるのは、その力を扱うときの条件だ。

 たいていは体力や精神力ですむが能力を使う変わりに何か別の物を消耗したり

 時には所持者自身の血や体の一部または・・・命。」

「死か。」

「そのかわりに爆発的な力を手に入れることができるから、無属性のものでも

 精霊の力と互角かそれ以上に戦うことができる。

 次に無属性者と有属性者との大きな違いだ。

 無属性者は精霊の力が使えないため己の体の力しか使うことしかできない。

 有属性者は精霊の力が己の力とプラスされるのでかなり有利になる。

 先の説明を過去の話で例えると・・・・。」

「・・・・。」

「まあ、聞け。

 双剣2話で無属性者・ストーンと有属性者・白い旋風の戦闘があるのだが

 武器での押し合いの結果、白い旋風が押し勝った。

 素の力だけでいえばストーンのほうが上の戦いだが、白い旋風が勝った理由。

 それは、紛れも無く精霊の力によるものだ。これを簡単に数値化すると・・・・。」



ストーン   (自己の力)100 + (精霊の力) 0=100

白い旋風   (自己の力) 60 + (精霊の力)80=140



「このような計算になる。

 結果、ストーンは100-140で40も力で負けてしまっているのだ。

 自己の力にプラスされる精霊の力が無属性者と有属性者との大きな違いなのだ。」

「基本的な身体能力にこれほどの開きがでるのか~。」

「よって、精霊の力には精霊の力で対応するしかないということになる。」

「なるほど~。」

「そうとわかれば!!」

バーンは自分が座っていた岩をツヴァイの担いでいる岩の上に乱暴に投げ置く。

「今は基礎体力をUPさせて、いろんなことができるように器を広げる時期だ。

 目先の力に振り回されず、ゆっくりと自分に合った力を考えればいい。」

そういうとバーンは椅子に座って目を閉じた。

倍の重さになってツヴァイの顔は赤くなっていき、苦しい表情になる。

(い、いつまで・・・・。)

「日が暮れるまで。」

やがて、イビキが聞こえてきた。

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