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友情と約束  作者: はづき
第2章 中学生編
6/13

第6話 優等生の苦悩

進路が決まる第6話になります!

よろしくお願いします。

 その一方で、部活の方は新入部員が3人入った。新入部員への指導を葉月と2年生に任せ、篝は部活宛の学校祭の出し物の案内を見ながら、顧問の先生と職員室にて相談していた。


「学校祭でやるのは例年通りの方向ではありますが、テスト前最後の部活なので、早いうちに計画書は作っておきました。細かい役割はテスト終わってからでも決められますし」


「確かにそうね。秋川さん仕事が早いねー、昨日貰ったばかりなのに」


篝は苦笑いを浮かべながら、顧問の先生と一緒に部室へ戻っていった。部長になりたての頃は葉月に助けてもらってばかりだったものの、後ろを向かずに葉月や後輩達に向き合えたことが、成長の証だ。


 その後の定期テストも、葉月は総合トップを取った。慌ただしく学校祭が終わると、葉月はため息をついていた。


「葉月、どうかしたの?」


「それがねー……。『市外の難関校も視野に考えてみたら? 篝ちゃんに合わせたいのは分かるけど、あんたの学力で地元の高校行くのはもったいないよ』って、昨日お母さんに言われたんだ」


そんな時、不意に顧問の先生が訪ねてきた。


「2人とも、まだいたのね」


「それがーかくかくしかじかで――」


篝が事情を説明し、先生は人生の先輩の1人としてこうアドバイスをする。


「先生にも、葉月さんのような頭のいい友達がいた。でも、私のために両親を説得して、一緒の高校に行くことを選んだの。人生は、親御さんが決めることじゃない。自分が決めること。別々な道を選んだら、お互い後悔すると思う。入部してから貴方達を見てきて、そう思ったの」


先生からのアドバイスは、葉月だけでなく篝にも響いた。翌週の学力テストが終わり、篝も同席の上で葉月は両親を説得した。


☆☆☆


 今年の夏休みは、葉月の誕生日の前の日で終幕。それでも、篝は日付変わるのと同時にお祝いメッセージを送った。その後の花火大会も3年連続で見に行き、手を繋ぎながら一緒の高校に行こうと願っていた。


 前期期末テストが終わり、部長と副部長を後輩達に託し揃って引退。それから暫くたち、三者面談がやってきた。葉月は母親の前で担任の先生に対し、


「後悔はしたくありません。学力だけが全てではありません、〇〇高校一択です」


そうはっきりと言った。かつて両親に説得した時も『学力だけが全てではない』と言い放ったのだ。一方の篝は、


「〇〇高校に進学して更に自分のレベルを上げたいです」


と、更なる目標を掲げていた。隣にいた輪は、姪の篝の成長をひしひしと感じていた。葉月との出会いでひと回り大きくなったのだろう。


 強い意志をもった2人は、一緒の高校に揃って合格した。合格発表後、篝は笑顔で両親に報告した。そして、中学校の卒業式。


「高校でも、よろしくお願いします」


輪と葉月の両親が挨拶を交わしていた。


「これからも、よろしくね!」


篝と葉月も、改めて挨拶を交わすのだった。

第6話、お読みいただきありがとうございました!

ストーリー編成の都合上、このお話は今までより短い内容となっております。

次回から高校生編、新キャラ登場します。

よろしければいいね、応援をいただけると大変喜びます!

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