第二話 神々の会議2
少し文字数が少ないんですけど投稿します。
次回の投稿は一週間後ぐらいになるかもしれません。
私用によって連載を一時中断することをお詫び申し上げます。
「ありえない…ありえない……ありえない!ありえないありえないありえない!」
「?どうかなされたか『戦神』殿」
そう、『戦神』の声に気付き声をかけたのは『炎神』だった。
「お前らはいいよなぁ!『魔神』様に投票することによってまた自分の株が上がるんだろう?なあ『創造神』様よぉ!」
「な……何をいっておるのだ貴様は……」
『戦神』が大きな声で喋り始めたことによって、全ての神が彼を向き、睨みつけた。
あまつさえ彼が投票した『龍神』までもが、である。
「貴様…我らが『創造神』様を愚弄するのか?」
「そうだ!我らが『創造神』様を愚弄するのは、どんな身分にあっても許されないことだ!」
色々な方向からブーイングがとび、『龍神』が口を開きかけたのをアトムは阻止した。
「な…なぜでございますか?『創造神』様…」
「そうですよ『創造神』の旦那ァ!あんなのは粛清した方がいいでしょ?」
「……『魔神』。言葉遣いを改めなさい。」
「っへ?……いえ!すみませんでした『創造神』様!」
イシスに怒られたことにより『魔神』はしょんぼりしてしまったが、それをイシスは無視した。
そして、アトムはそんなことをしている神々を横目に見つつ、『戦神』に向かって口を開いた。
「『戦神』よ。貴様は自分の立場がわかっていないようだな。」
「っへ!ああそうさ。何も俺はわかっちゃいねぇ!なぜ今の投票で『龍神』様が負けたかもな!」
「貴様は馬鹿か?なぜ『龍神』が負けたかわからない?そんなもの『魔神』の方が少しばかり人気があったからだとしか言いようがないだろう?」
「それがわからないといっているのだ!なぜ『龍神』様よりも『魔神』様の方が人気が出るかがわからないんだよ!」
そこまで言ったあと、周りの一部の神々からはため息が出た。
「ああ?なんだお前ら!俺様のことを舐めてんのか?俺ぁ『戦神』だぞ!」
「そうか。だが残念だな。俺は『創造神』だ。俺の能力が何か知っているな?」
「はっ!何もかもが作れるただの器用貧乏じゃねえか!この世界はパワーが一番なんだよパワーが!お前みたいな下等劣種の神が神々の頂点に立つというのが考えられねえよ!」
「へぇ。器用貧乏ねぇ……」
その瞬間、周りにいた神たちは同時にあることを思った。「これはやばいやつ」だと。
「おい。お前ら。そこから動くんじゃねぇぞ。動いたやつは殺す。」
そう、『創造神』が柄にもないことを発したことにより、全員の行動が止まった。
(姉さん!これはちょっとマズいんじゃありませんか?)
(そうね…あそこまでのアトム様を見たことはないわ)
(大丈夫ですかねぇ『戦神』の旦那。)
(まぁまずは神の権利を剥奪されることは間違いないわね。最悪殺されるかもしれないし)
(ひえーっ。おっかないですねぇ『創造神』の旦那。)
(あんた…次にそう言ったら頭かち割るわよ)
(わ…わかりましたよ姉さん…)
(どういうことなのだ?これは…あの方はものすごく穏便だと聞いたが?)
(ええ。でも自分のプライドが傷つけられるとこうなるわ。気をつけないようにしないと。)
(ははっ。了解しました奥方様。)
『龍神』の素朴な疑問にイシスが小声で返す。
その間も『戦神』と『創造神』アトムの間では睨み合いが続く。
「あーあ。もうやめた。つまんないし。『戦神』って言ったっけ?さっさと出てってもらえる?」
急な『創造神』のギャップ転換にイシスも含め、全ての神が首を傾げた。
だが、次の言葉に多くの神はおそれを抱いた。
「俺に逆らったんだからそれ相応のことをしてもらわないとね。そうだな……とりあえず君は槍になって『人界』に行ってきてね。」
そういった瞬間、『戦神』は槍となり、遠く彼方の方向へ消え去っていった。
「な……なんということだ…」
その場にいた全ての神々は驚嘆した。
これが『創造神』アトムの力の内の一つ、「物体変換」だ。
そして多くの神は気づかなかったが、アトムは「物体移送」を使っていた。
それぞれ、自分が特定の対象を設定した後、変えたい物をきめ、その形を変える能力と、物体を自分の決めた特定の場所へ送ることができる能力だ。
この他にもアトムが扱える能力はたくさんあり、それ故の『創造神』なのだ。
彼が使う能力の多くは自身の神力を使う。
だが彼は人生の中で固定された神力を使うという固定観念を自分で神力を作り出す、という並外れた能力によって、実力的にも、家柄的にも神々のトップたる『創造神』になったのだ。
彼でさえ、昔は「物体創造」しか、使えなかった。
それでも修練を繰り返し、スキルを自分から作り出す「恩恵創造」や、全く同じものを作り出す「完全模倣」、「物体変換」の上位版「物体改造」を取得し、今や誰もがおそれ、そして尊敬の念を抱く、孤高の『創造神』となったのだ。
「さて…邪魔が入ったが今日の投票はこれで終わりにしよう。『人界』を治めるのは『魔神』。異論はないな?」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」
「そうか…それでは、『魔神』クレシネスよ!貴様に『人界』統治の任を託す!」
「ははっ!この『魔神』クレシネス、しかと命を承りました!」
「それでは明日また今後のことについて話し合おうか……それでは皆のもの!今日は解散だ!」
『『はっ!』』
そう、アトムが宣言した後、神々はそれぞれの統治場所、生活場所に戻っていった。
イシスと合流したアトムは、また昨日と同じ控室兼自室に戻っていった。
「それにしてもアナタがあの子のことを名前で呼ぶなんて」
「ああ。お前もわかっているだろう?『人界』にいる『人間』という存在を。あれは他の世界のモノに比べて優秀な個体だ。それなりに責任があるし、奴の名前を広める手にもなると思ってな。」
神たちには名前がある。
『創造神』や『龍神』、『魔神』などはあくまで肩書きで本当の名前はそれぞれあるのだ。
だが名前にもいろいろとある。
例えば、アトムは代々『創造神』の家系のところの出だし、『龍神』も同じだ。
例外として、下界のモノの作ったーー信念のこもった心によりできた神ーーつまり初代の神はその下界のものが崇めている神の名前になっている。
普通、下界のモノはアトムたち神が住んでいる天上界の世界を知らない。
故に、形のないと思われている神を信じているのだ。
だがそれは自然発生という形で天上界に現れることがある。
『人神』などがそれにあたる。
彼は、初代『創造神』が決めた「下界のモノと触れてはいけない」という決まりを破った。
そのため下界ーー『人界』にいる『人間』というものに変えたのだ。
絶対に下界のモノと触れてはいけないーー
そして絶対に『創造神』様には逆らってはいけないーーーそう、他の神々たちは思ったのだった。
『面白い!!』
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