13/19
二つの傘
君のメール、傘を持って家を出た
冷たい音も何故か心地いい
人ごみの中何しているかなぁ?
僕のこと、少しでも考えてくれてるかなぁ?
素直になりたいと願うばかりで
何もしてこなかった僕を
本当は許せないはずなのに
本当は怒ってるはずなのに
途中で沢山の傘とすれ違う
僕と同じように、傘をもう一つ持つ人
誰かを迎えに行くんだろうな
ちゃんと二人、出逢えたらいいな
小手先や口先で上手く立ち回ろうとして
いつも失敗に終わってしまう僕を
どうして認めてくれるんだろう
どうして受け入れてくれるんだろう
駅前、君は傘を受け取って
一緒に隣を歩いてくれる
どうでもいい言葉ばかりが街に流れていく
伝えたい言葉は喉元から肺に戻っていく
僕たちにふさわしい名前なんて見当たらないけど
今はそれでも良しとして暮らしている
始まりとか終わりとかもうどうだっていいや
わからないならそれなりに日々を続けていくしかないんだから
不器用な心を指先で辿るよ
今日も明日も