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勇者との出会い

 王室の方々にまだ紹介していなかったヘルミーとシリカを紹介することにした。


「まず連れを紹介しますね。こっちの子がヘルミーで、あっちの子がランシリカです。どちらもオレの恋人になります」

「ヘルミー・ハウラプトと申します」

「あたいはランシリカだ……です」

「2人は冒険者として一緒に行動しているので今回連れてきました」

「ご丁寧にありがとうございます」

「ハウラプト……」


 エリノエルさんは特に引っかからずに答えてくれたがニーチさんがどうやらハウラプト家に関して何か知っているような反応をした。


「ハウラプト家と言えばグラストル王国の貴族で一家心中をしたと聞いたような……」

「ニーチ様、わたくしはそのハウラプト家で間違いございません。ただ、わたくしだけが生き残ってヒーロさんに拾っていただきました」

「ニーチ、気づいていても口に出さないのがマナーというものですよ。ヒーロさん、気分を害されたのであれば謝罪いたします」

「も、申し訳ございません」

「いえ、ヘルミーもそのあたりのことを聞かれるのは仕方ないと思っていますので大丈夫ですよ」


 それはそうとまだ紹介を受けていない子が1人端っこに座ってるんだけど、男の子……じゃなさそうだな。


「すいません、あちらの子は?」

「失礼しました。あちらは我が国で育てております勇者のゾフィ・ヒルエルです」

「私はゾフィ・ヒルエルと申します。よろしくお願いします」


 この子が勇者の子か、思っていたより全然勇者感がないんだけど。


「この子が勇者ですか。今おいくつなんですか?」

「14になります」

「14か……その年齢にしては結構鍛えられていますね」

「はい、国をあげて育てておりますから」

「そう言えば、ヒーロさんって第6級って聞いたんだけど本当なの?」


 ミューさんがオレの級について聞いてきたけど、またそろそろ級を上げたほうがいいのかな。


「ええ、本当ですよ。オレとヘルミーが第6級でシリカは第2級ですね」

「うーん、ヒーロさんの身のこなしを見て第6級じゃなさそうだったんだけどなぁ」

「まぁ、オレの場合は級に興味がないので実力とは関係ないですかね。オレの実力は……そうですね、リアと同じぐらいと思ってもらっていいですよ」

「やっぱそうだよね。何となくだけど私よりは強そうな気がしたもん」


 相手の実力がはかれるあたりミューさんも伊達に自力で第3級になっただけのことはないのかな。

 それはそうと、ここに来てからオレのインベントリでクサナギさんの武器が2つオレに呼びかけている。この中だとミューさんとゾフィさんが対象だと思うがもう少し待って欲しい、まだ何の情報もないのにいきなり武器を渡すのもおかしいので。


「それでこの前ヒーロさんに助けてもらったお礼をしたいんだけど、ヒーロさんは何か欲しい物はある?」

「欲しい物ですか、特にないですね」

「またあっさりと。お金でもいいよ」

「お金には困ってないのでいらないですね」

「ミュー、ロリアデラ様の恋人の方にお金を渡しても仕方ないでしょ」

「あっ、たしかに」


 ニーチさんがミューさんに注意したけど、それだとオレがリアのヒモみたいな感じに聞こえる。オレの場合はどちらかというとウィネのヒモ……になったつもりはないけど現実を見るとウィネのヒモである、一応ウィネにはオレの力とかを渡してるけど。


「それじゃ、どうしよっかぁ」

「ミュー、いますぐでないのであればアレの優先権でも良いのでは」

「ん? ――ああ、深淵の姫真珠ディープ・クイーン・パールの購入の優先権ね」

「ディープ・クイーン・パール?」

「ヒーロさん、深淵の姫真珠は非常に珍しい宝石で100年に一度地上に出るかどうかの宝石ですわ」


 ほお、そんな珍しい宝石があるのか。


「深淵の姫真珠は過去3度、このブールトワの海岸に打ち上げられたので次ももしかするとこの国に現れるかもしれません」

「とはいえ、そんな珍しい宝石なら王室の方も欲しくないんですか?」

「それが私を含めこの娘2人も宝石にはそこまで興味がないんです」

「なるほど、ただそれの優先権をいただいたとしても買えないと思うんですけど」

「もしロリアデラ様がご興味あればどうでしょうか?」


 リアって普段はフードを被って見えないから宝石というか服にも興味なかったからな。


『私はヒーロさんから頂けるものであれば喜んでいただきます』

『でもお金はどうするよ? たぶんかなり高いよね』

『前回はたしか10億リシアぐらいだったかと。もしあれでしたら私が払いますが』

『いやいや、それをリアにあげるためにリアが払うのは違うでしょ』

『10億リシアぐらいなら特に問題なく出せます』


 いや、そういう話ではないんだが。


『とりあえず購入権だけもらっておくよ。もしリアにあげるにしてもお金はオレが何とかして稼ぐから』

『ふふっ、ありがとうございます』


 10億リシアをどう稼ぐかが問題だけど。


「とりあえずその優先権だけもらっておきます。買うかどうかはわかりませんが」

「わかりました。それでは我が国で手に入れば冒険者ギルド経由でヒーロさんに連絡いたします」


 これでミューさんのお礼の件は終わったから話も終わりかな。


「あっ、あとヒーロさんに聞きたいんだけど」

「はい?」

「昨年の11の月にレトナークで2mぐらいの黒い騎士の目撃情報があったことって知ってる?」

「ええ、知っていますよ」

「おお、いまゾフィちゃんがその黒い騎士を探しているんだけど手掛かりがなくて……」


 うーん、レトナークの黒い騎士とゾフィさんの黒い騎士が一緒なのかどうかはわからないが、ダーヴァが近くにいたからだぶん一緒なんだろうな。それにあいつ女の子を男の子と見間違えたことを後悔していたし。


「ゾフィさん、その黒い騎士に男の子に間違われました?」

「は、はい。少年と呼ばれました」


 はあ、ダーヴァで間違いないな。


「その黒い騎士はダーヴァ・ヴァルスターというデュラハンですね。オレの知り合いです」

「おお、ゾフィちゃん、やったね」

「はい、これでお礼が言えます」

「ん? ダーヴァと何かあったんですか?」

「私がゴブリン討伐に行ったときにオークが出てきてそのときに助けていただきました」

「オーク? オレの見立てではゾフィさんの実力ならオークは倒せそうな気がするんですけど」

「ははっ、ヒーロさんの見立ては合ってると思うよ、私もそう見てるから。ゾフィちゃんは実力はあるんだけどいざ実戦となるとダメになっちゃうタイプなんだ」


 なるほど、本番になると体が動かなくなる感じか。


「ゾフィちゃんは第6級なんだけど、私の見立てだと第4級ぐらいかなと。ヘルミーちゃんも第6級よりも上のように感じるけど」

「そうですね、ヘルミーはもっと上だと思いますよ。オレが土台からキッチリ育てていますからね」

「おお、それじゃこのあとゾフィちゃんとヘルミーちゃんで実戦なんてしたら面白そうだね」

「ははっ、まぁそれはそうですね。ところで、ダーヴァはどうします? 連れてきます?」

「うん、そうしてもらえると助かるかな」


 今日会ったからだいたいの位置はわかるけど、あいつが本気で移動したら場所がわからなくなる。


「たぶん連れてこられると思いますけど、ただあいつも自由なんでもしかしたら時間をもらうかもしれません」

「うん、全然いいよ」


 これでこんどこそ話は終わりかな。


「よしっ、それじゃ、ゾフィちゃんとヘルミーちゃんの実戦をやってみようか」

「ん?」

「ヒーロさん、すいません。この子はこういう子で、思いついたら行動する子でして。もしご迷惑でしたら断わっていただいても大丈夫です」

「いえ、ヘルミーにはいろいろ経験させたいのでゾフィさんが良ければ大丈夫ですが」

「ゾフィちゃんはいいよね?」

「えっ……ええ、大丈夫です」

「ヘルミーはいけるか?」

「はい、わたくしは大丈夫ですわ。魔物に比べれば全然平気ですわ」

「ヘルミーちゃんは普段魔物でも狩って訓練してるの?」

「いえ、ジャイアントワームから逃げる訓練などをしております」

「「「「えっ?」」」」


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