01 ここどこ?
目が覚める。
眩むような日が視界を白く霞ませ、だんだんと慣れてきた目に映ったのは木と木と木。
「ここは…?」
森だった。風が草木を揺らし、雑草が頬を撫でる。
違う、そうじゃないよね?
意識がだんだんと戻り、焦りと混乱で身体を起こす。
なんで?どうして??
こんなにも野性味あふれる大自然の森にどうして眠っているのか。生涯でこのような森の中に迷い込んだこともないし、まるでどこなのか見当もつかない。
意味が分からない。すっぽぬけたように何も覚えてないし、どこか現実味が薄れる光景にただただ怖さにも似た焦燥が心臓を鳴らす。
………。
………………夢?
あまりに突然で、理解しがたい状況に、その考えがとてもしっくりきた気がした。気分が少し落ち着いた。
よくよく見ると服も自分の物ではなかった。窮屈な硬いブーツに白いタイツ、茶色の質素な暑くて重い服。
ほら、どんどん現実味がなくなっていく。やっぱり夢だ。こんなにもはっきりと夢であることを自覚したのは初めてのことだったけど。
『……………ちゃん』
そうだ、これは夢だ…夢のはずだ…。
それはまるで自分に言い聞かせるように、頭に残響する声をかき消すように、夢であると受け入れようとした直後。
『…お姉ちゃん!』
虚無の深淵に飲み込まれていく妹と、私を呼ぶ声が微睡んだ記憶の蓋をこじ開けた。
始めてなろうで投稿をさせていただきます。
分からないことが多いですが、探り探り続けてみようと思います。




