「無視しないで」
皆さんは人を無視したことがありますか?その時、どんな事を思って相手を無視しましたか?
私は「無視」されるのが1番嫌いです。もっと強い言い方をするなら「嫌悪」しています。
自語りになりますが、どうかお付き合い下さい。
私が中学生の頃のお話です。私が仲良くしていた友人2人が親の都合で転校してしまい、私は学校で1人ぼっちになりました。私は新しい友達を作ろうと一生懸命に明るく楽しい自分を作りました。けれど、それは傍から見たら随分と滑稽だったのでしょう。クラスのみんなが影でクスクスと笑いながら私の悪口を言っていました。それでも、1人になりたくなかった私は、やっと1人友人と呼べる存在を得られました。けれど、結局その友人も周りに流されたのか私に「気持ち悪いから近づかないで」と言うようになりました。これが、中一の半ばくらいの事でした。それ以来、友達を作ることを諦めました。そして息を殺しながらクラスで1人、誰にも認識されないようにひっそりと過ごしました。結果、中学生活の2年半をほぼ誰とも会話がないまま過ごし、卒業しました。
それから何年も経った今日、仲のいい友人にグループ通話中に無視をされました。本当に軽い、ささいな意見の違いでした。会話の最中、相手が突然黙ったのです。私は「ねぇ?聞いてる?」と何度も確認しましたが、相手は別の人と会話を楽しんでいるようでした。きっと私の言ったことが気に触ったのでしょう。私はそっと通話を抜けました。私は不思議と怒ってはいませんでした。ただ、ふと中学生の頃の記憶が蘇り、辛く悲しくなりました。
意見の相違などよくあることです。ならば、話し合えばいいではないですか。お互いの想いをぶつけ合って、自分はこう思う!私はこう思う!とお互いを理解し合うための歩み寄りのような喧嘩を…私は望んでいました。
私との会話を相手は「面倒くさい」と考えたのでしょうか?話し合っても無駄だと思ったのでしょうか?どうして、無視なんて言う残酷な方法を選んでしまったのでしょうか?
悲しくて悲しくて悲しくて死んでしまいたい。
「無視」という行為は、自分の世界から相手を消してしまう行為だと私は思っています。皆さんがそれぞれ持っている自分の世界は、皆さんが選んだものだけが入れる場所です。皆さんが選んだ言葉、聞き入れた言葉だけが存在できる場所です。人の言葉を無視するということは、すなわち「自分の世界にその人の言葉はいらない」と言っているのと同じことです。
大袈裟かもしれませんが、こうも言えると思っています。「自分の世界にお前はいらない」と。例えそれが、1回であろうと2回であろうと同じです。あなたが無視した瞬間、あなたは自分の世界から相手を消したのです。あなたが相手を殺したのです。
物理的にではなく、精神的に相手を殺したのです。
私はそんな風に考えています。
私はこれを直接友人に言うことはできませんでした。きっと私の考え方は「世間一般的ではない」と思ったからです。
でも。もし。この文章が私の友人の目に入ったとしたなら、友人の理解を得られたなら、どうかお願いです。二度と誰かを無視しないで下さい。辛いんです。誰かの世界に存在させて貰えないと生きられないんです。どうか、どうかお願いします。私を無視しないで。