49日の詩
49日に、読んでください。
焼却場の煙を見ると、何か思い出し
空の先を見て目を細めた
立ち上った煙の周りで
骨の魚が骨の歌を歌っていた
くるくる泳ぐ彼らの目は
夏のどん底を吸着していた
身震いした私に
あなたは何も悪くないの、と、私以外の何かが言った
そう、私
は悪くない
蝉は鳴かず
水面は
揺れない
岩の下に何かあるのかと覗いてみたら、
潰れた蛙が1匹、頬杖をつき
私のことを、愚かだと言った
いいえ、私は何も悪くない
畳のささくれを目で追ったら
雨粒の音が聞こえた気がした
これを涙の形容と決めたのは、トタンが随分と音を立ててからだった
私の代わりに泣いている
蝉も水面も、泣かないが
彼は代わりに泣いている
私の代わりに泣いている
何も悪くない、私のために
きっとそう
だから私はあの音を
後悔と名付け、愛することにした
49日はとうに過ぎ
49日がまた始まり
49日はとうに過ぎ
49日がまた始まり
蝉は鳴かず
飛ばず
水面は揺れず
飛ばず
私は何も悪くない
ささくれの先に遺影は無く
トタンが泣き
煙がたち
骨の魚がゆらゆらと死に
煙はとうに消え
消え
またトタンが泣き
そう、悪くない
煙が消え
トタンが泣き
トタンが泣き
煙が消え
トタンが泣き
煙が消え
悪く、ない
トタンが泣き
トタンが泣き
悪く、ない
トタンが泣き
悪く
ない
泣き
こんにちは、コーノです。
みかん農家になりたいです。
あと消えたいです。