バカラ
キングオブゲーム
バカラ
初耳だった。
ガンガン金が動くし、盛り上がる。
カジノのメインとなるゲームだ。
客は会社社長、飲み屋の社長ばかりだった。
ホストやIT社長の先駆けみたいなのも居た。
薬局チェーン店の会長なんかも居たかな?
超有名コンビ芸人のじゃない方や元巨人の四番も来た。
詳しいルールなどはwikipedia参照とさせてもらって、簡単に説明すると
バカラはbanker側かprayer側のどちらかに賭け、当たれば2倍になる単純なゲームだ。
正確にいうと、ルール上、bankerがちょっとだけ有利なので、プレイヤーに賭けて勝つと2倍、bankerに賭けて勝つと1.95倍になる。
ちなみに必勝法は無い。
マーチンゲール法やパーレー法なんてものあるが、割と早い段階で、信じられないような展開、または自分の気持ちに流されて絶対に負ける。
ただ、存分に楽しむコツってのはある。
バカラはルールが単純なので、予想も単純になってしまう。確率的には、例えばずっとbanker側に賭ければ、2回に1回は勝つのだから。
なのでプレイするほとんどの人が罫線と呼ばれるメモ用紙に、出目、どちらが勝ったかを記録する。
それで見えてくるパターンを元に予想するのだった。
大勝ちする人は、出目のパターンにハマった時だった。
大負けする人は、外れ続けて熱くなった時だった。
例えば、ゲームを繰り返してると、ずーっとbankerが勝ち続ける事がある。ツラと呼ばれるものだ。
ノッてる時、ツイてる時はそのツラに合わせて、prayerが出るまで機械的にbankerに賭け続ける。
負けて熱くなってる時は、次こそはprayer、アレッ?次こそは!とツラに逆らい続ける。
ツラが出ると、客はそれに乗り易く、場も盛り上がり全員が勝ち続ける。当然、店側がどんどん損をしていく。
わかりやすいツラはディーラーからすると嫌なものだった。
でも、実際は罰則なんてなかったし、逆に客が勝てばチップをもらえたりした、まぁあんまり大敗すると、責任は無かったがしばらくゲームを任されず、干されたりした。
バカラの面白いところはシボリだ。
シボリについての詳しくはまたWikipedia参照だけど、
カジノではprayer側、banker側、それぞれに賭けた金額が1番高い客にシボる権利がもらえる。
ここぞいう勝負に厚く張って、みんなの期待を背負い、熱いシボりをするのは本当に堪らない。
そういえば、当時、ディーラーの間で流行った、簡単に熱いシボリをする方法があったのを思い出した。
宝くじのナンバーズ3を買い、当選番号を他の人が確認し、トランプのカードで裏返しで置いてもらって、一枚ずつシボって確認するという、それだけなんだけどもあたるとデカいので、リーチがかかると相当熱いし、試して欲しい。
バカラに必勝法は無いと言ったが、勝つ人間は居た。
不思議な事に、コンスタントに勝ちトータルでも勝つ、理論的にはあり得ないのに、実際に居た。
ダンディでインテリな細身の部長って感じだった。
賭け方に特徴がある訳ではなかった。
ただ、負ける時はすぐやめて帰った。
それだけ。
完全にオカルトだが、運や流れというものはあるのだろう。それを見極めていたとしか思えなかった。
負けると頭に来る。やめられないものだ。
運はコントロール出来ないのだから上手く乗りこなすしかない、そう言われて理解は出来ても実行は出来ない。
バカラの張り方のひとつに、人に乗るというのがあった。
やたら勝ちまくる客が居たら同じ方に賭けるとか、ツイいない人間が居たら逆に賭けるとか
または、店側が強い(客達がどんどん負けていく)時は、店が得する方に賭ける、逆もしかり。
あからさまにやると、客やディーラーに嫌われるがそれも醍醐味の一つだった。
客 対 客の勝負も見ものだった。
バランス台といって、prayer側とbanker側の総賭け金のバランスが保たれれば、いくらでも賭けられるのだ。
土建屋の社長がprayer側に100万賭け、ホストがbanker側に100万賭ける。どっちが勝っても店は負けない。
ベテランディーラーが、バブルの頃に見た最高の賭け金は5000万対5000万らしい。ジェラルミンケースに札束が詰まってたそうだ。
バブルの頃のアングラカジノ。
見てみたかった。