ルーレット始めました
ルーレット職人になるための修行
ディーラーって職人芸なんです
ハーフ 18 ジュッパー
スイッチ 36 サブロク
1枚ハーフ 54 ゴーヨン
2枚スイッチ 72 セブンツー
2枚ハーフ 90 キュウジュウ
3枚スイッチ108 マルパー
3枚ハーフ 126 イチニンロク
4枚スイッチ144 イッチョンチョン
4枚ハーフ 162 イチロクニ
5枚スイッチ180 ヒャクハチジュウ
5枚ハーフ 198 イチクッパ
6枚スイッチ216 ニッピンロク
6枚ハーフ 234 ニーサンヨン
7枚スイッチ252 ニーゴー二
7枚ハーフ 270 ニーナナ
8枚スイッチ288 ニーパッパ
8枚ハーフ 306 サンマルロク
9枚スイッチ324 サンニーヨン
9枚ハーフ 342 サンヨンニ
10枚スイッチ360 デカサブロク
「とりあえずコレ暗記ね」
ルーレット職人のディーラー白井さんが最初に教えてくれた事は、ルーレットの配当だった。
今思うと、親切丁寧に教えてくれたと思う。
ルーレットとは何か、わからないひとはググってもらってうとして、リアルのルーレットはとても忙しい。
ボールをディーラーが投げ、客がチップを張り、球が落ちたら計算し、チップを積み上げ、客へ払出す。
まずは正確な計算方法からだった。
赤黒や奇数偶数、前半後半などは2倍すればいいのだが、ルーレットでは大量のチップがあちこちベットされるために、当選したとしても何枚払出しがあるのか、パッと見では分からない。
ディーラー達は18の倍数を基本として計算するのだった。
一つの数字に賭けた場合の配当は36倍 (スイッチ)
二つの数字に賭けた場合は18倍 (ハーフ)と呼ぶ。
例 (図が無いと分かりにくいと思う)
盤面の❷と⑤の間にチップを6枚張り、❷で当選したとすると、
ハーフが6枚=3枚スイッチ=マルパー
賭けられたチップと合わせて、108枚のチップを客へ払出す。
❷に3枚、①と❷と❹と⑤の間に4枚で❷で当選したとすると、
スイッチが3枚とキュウが4枚=4枚スイッチ=イッチョンチョン
144枚の払出しとなる。
そしてチップの取扱い
まず、見習いはチップ拾いから
1枚ずつ重ねずにチップをばら撒き、拾って行く、
左右の手に10枚ずつ拾ったら両手で合わせて、20枚重ねて置く。ひたすら練習。
手に20枚1組の感覚を覚えさせる。
次にチップのカット
20枚を握り5枚落とす。落としたチップの隣に握ったままの残りチップを置く、隣の5枚のチップの上に人差し指を置き手首ごとスライドさせ、また隣にチップを落とす。繰り返すと5枚のチップの山が4つ出来る。
慣れると1〜2秒で出来る。
落とす数を3〜4枚と変えることで、複数の山を沢山作れるので、それを組み合わせてチップ山を作る。
例えば、12枚の山を作る時は20枚拾って4枚落とし、一回スライドさせると手の中には12枚の山が出来る。
そんなテクニックを駆使して華麗にチップを捌く
職人芸だ。
配当は呪文のように覚えた
ニマイハーフキュウジュウ(36+36+18=90)
ヨンマイスイッチイッチョンチョン(36×4=144)
キュウジュウワンツーマルニ(90+12=102)
イッチョンチョンニシイチロンパ(144+24=168)
サブロクワンツーヨンパー(36+12=48)
客が居ない時にはひたすら
チップをバラまいて拾い20枚積む
積んだチップをカットする。
とにかく繰り返した。
とにかく楽しかった。
上達するとカッコ良かった。
一か月位は、メインディーラーの廻すゲームについて、チップ拾いをしていた。
「いらっしゃいませー」
客がやって来ると
フロアレディが近づき、飲み物の希望を聞く
その際に客が金を出す。
「一点お願いしまーす」
ディーラーへフロアレディが声をかける。
ディーラーが一万円分のチップを客に渡す。
ルーレットでは一枚100円のプレイチップを100枚渡す事が多い。
「それでは参りまーす」
メインディーラーがルーレットの内側(数字の穴側)をゆっくり回転させる。
ボールを投げ込む
「さぁどうぞ!」
ボールと数字が回る
客がチップを張る
ボールの勢いが落ちてくる
ベルを鳴らす
「ノーモアベット そちらまで!」
ボールが落ちる
「35番ブラック」
マーカーを数字の上に置く
「3枚スイッチマルパー、ナイスキャッチ!」
チップを拾い、積み上げ、差し出す。
外れは回収。
「それでは参りまーす」
「35番ブラックから」
「さぁどうぞ!」
チップは100円、1000円、10000円、10万円の4種類
店内では一万円を一点と呼んだ。
暇な時は1ゲーム0.2点位
忙しく、太い客が多い時は10点位張られる。
ほんの1〜2分のゲームの繰り返し。
ルーレットの利益だけで月に500万円程だったようだ。
ヨーロッパ式は0と1から36の数字だが、アメリカン式は0と00と1から36まで。
日本のアンダーグラウンドカジノではアメリカン式が主流だ。
ルーレットでは、ディーラーは狙った数字にボールを落とせると思われているが、ちょっと意味が違う。
一番外側にボールの回る溝があり、勢いが無くなり落ちて来る内側にひし形の縦ピンと横ピンが交互に8個ある。
ディーラーはピンを狙う。
ボールは縦ピンに当たりやすく、その下に落ちやすい。
そして、日本のアングラルーレットで1番面白い所は、ディーラーが回すウィール(ボールが落ちる数字の穴側)の回転が遅い事だった。
ディーラーがボールを投げて、落ちるまでに、ウィールは約半周から1/4周しか回さない。
すると、ボール落ちる頃にウィールのどの数字が縦ピンの下に来るか、ディーラーがどのピンを狙っているかなどの駆け引きが始まる。
客は4本の縦ピンの下もしくは手前に来る数字を狙い出す。
ウィールの状態や汚れ、歪みによって、当たりやすいピンの偏りがあれば、そのピンの下を狙う。
ディーラーは客のクセを読んで投げる。
ボールの勢いを変えたり、リリースポイントが見えない投げ方をしたりする。
一点集中で賭ける客が居たら、その数字が当たりにくい数字を狙う。
赤黒や前半後半など、外張りが多い時は0と00がピンの手前に来るようにウィールを調整する。
すると、数字の並び順が重要になるし賭け方も色々な工夫が出て来る。
七五三、ヨーロッパ
0、00周り、手前、超え
ルーレットの攻略法があるとすれば、縦ピンの位置を正確に読んで、縦ピンの向こう3目ずつを抜いた4方向のシフトで賭け続ければ勝てると思う。
俺には無理だけども。
いきなりアングラカジノに行ってそんな張り方をしたら
めちゃくちゃマークされるだろう。
ちなみに海外のカジノではウィールをぐるんぐるん回すので、どの辺りに数字が来るのかもわからないし、ボールが跳ね回り、ディーラーも狙えないので、駆け引きもクソも無い。
時給は1500円スタートで2500円まで上がった。
大入りの時のボーナスや客からのチップで
月収は45万位だった。