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絶対勇者!!  作者: ギン
8/15

従者呆然

目の前の光景を、使用人は呆然と眺めていた。


真面目にやっていたかと思えば突然のクラッカー。これはお誕生日会か何かか?

プラカードがぶら下がったままの時点で嫌な予感はしていたが、どうしてクラッカーなのか。魔王が少し頑張って魔法を使えば、紙吹雪なんてもっと派手に出来ただろうに。


正面玄関から通さなくて本当に良かった。使用人は自分の危機察知能力を心の中で褒めた。


しかし、ここから自分はどう行動すれば良いのだろうか。

ライアンも、反応に困り果てて固まっている。


とにかく、本題にうつらせないと……!


やんわりジェスチャーで伝えるべきか?いやそんなことして魔王が間違った解釈をしたら元も子もない。


ストレートで行こう。そうだそれが一番いい。


「えー魔王様。そろそろ本題にうつられては?」

「ああ、そうだな」


魔王に助言しつつ、クラッカーを鳴らされてもなお頭を下げ続けていたライアンを起こす。なかなか自然にできた。流石自分。


まあ要件はメールで確認済みだし、あとはライアンの承認を得て引き継ぎ作業をするだけだ。


使用人は、そう信じていた。


が、現実とは残酷なものだった。


「ライアン、そなたには次期魔王となってもらいたい。」

「嫌です。」


即答で断られてしまった。

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