12/15
従者告白
「とまあ、こうなるわけだ。わかったかライアン?」
あまりの恐怖に放心状態になっているライアンに使用人が問いかける。
「おれ……まだ……いきてる……」
うわ言のように呟くライアンの脚は、生まれたての小鹿のように震えていた。
「職業は勇者で問題ないな?」
「はい……」
ライアンの返事を聞いて、満足そうに頷いた使用人はタブレットで何かメッセージを送った。
数秒後、二枚の書類を持った別の使用人がやってきた。
「持ってきました」
「ありがとう。下がっていい」
書類を持ってきた使用人を下げ、紙をライアンに渡した。
「ここに旅をするためにに必要なことが書いてあるから読んでおけ。あともう一枚は魔王様、読んでくださいね」
突然話を振られた魔王はキョトンとした目で使用人を見つめた。
「え、なんてだ?」
「そりゃ魔王様もライアンと一緒に行くからですよ。」