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MOTHER・LAND  作者: 孝乃 ユキ
Episode.05 地底国家
47/122

P.047 魂の対話と"闇"(2)

 


………………………





………………




………







『―――…ヤメ…アヤ……メ…ヤメ…アヤメ…聞こえますか?アヤメ』



『…ん?……誰?』



『ようやくですね。私の声が届いたのは』



『ほぇ?…誰なの?あなた。それに…ここどこ?…真っ暗で、何も見えないし…』



『ここはあなたの…萱島アヤメの意識の中』



『意識の…中?私の?』



『そうです。そして私は、あなたに宿りしもう1つの魂』



『もう1つの…って事は!?』



『初めまして、っと言うべきでしょうか?エルセナです』



『エ、エルセナ!?ほ、本当に私の中に…』



『アヤメ。あなたは目覚めてしまった…最後の霊召士として』



『最後って…私がって事?』



『あなたには、霊召士としての血が繋がっていません。ヒトとしての体に、私の魂が入り込んだ身……つまり私が宿る事で、能力(ちから)を使えるだけです。この能力(ちから)は後世に紡がれる事は無い。つまり、これが本当の最後…』



『え、じゃあ…冥王を倒すチャンスも、これが最後?』



『はい、最後となります』



『じゃあ…絶対失敗出来ない、って事だよね?…そんな、私なんかじゃ…』



『迷いや恐れは当然です…ですが迷ってはいけません。恐れてもいけません。世界の為に』



『………』



『…こうして話せる機会は、もう無いかもしれない…それに時間も…』



『…時間?』



『早く気づくのです。闇はすぐ傍に…あなたの近くにいます…』



『私の近くに闇?えっ、それってどういう事?』



『やはり気づいていませんか…---を信用してはいけません』



『え?何?誰を?』



『---です、---』



『え?聞こえないよ…誰をなの?』



『力で名を消しましたか…あなたは---に近づきすぎた……ここまできてしまったようですね…』



『ちょっ、ちょっと…怖い事言わないでよ…』



『どうやら私の口からは伝えられないようです。ですから、あなた自身が気づくのです…本当の闇の存在に…』



『私自身がって……近くにいる闇なんて、まさか…』



『もう時間のようです…』



『あ、エルセナ!!』



『勝ちましょうね…この戦い…この運命に』



『待って…待ってよエルセナ!!闇って何?近くって?ねぇ!ねぇ待ってよエルセナ!!』








…………………………






……………







「エルセナッ!!」




  ッ…ゴッ!!




「ふぎゃあっ!!」



突然襲った鈍痛と悲鳴。


ベットから起き上がったアヤメと、ズレた布団を直していたミネアの頭が激突したのだ。



「い…痛い~…」

「だ…大丈夫ですか…アヤ…メ~…」



2人はお互い額を押さえて蹲っている。その光景を見ていたカムラが心配そうに歩み寄る。



「大丈夫かい?2人共…って、アヤメさん。早く手をどけてやらないと、ナック君が潰れてしまうぞ」

「ほぇ?…わぁ!」



額を摩りながら視線を下ろすと……起きた体を支えている左手が、隣に寝ていたナックの顔面を押し潰していた。



「む…むぐ…っ…」

「ごっ、ごめんナック!」



慌てて手をどかす……が、そのどかした手が立ち上がるミネアの鼻に見事にヒット。



「あ痛っ!」

「あ~ごめんミネア!」

「ふがーっ!殺す気かマスター!!」

「ひゃあ~ごめんなさぁ~い!!」


「賑やかなメンバーだな…」




(近くの闇……本当に近くにいるの?まさかこの中に…じゃないよね?エルセナ…)

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