表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

妹は乙女ハンター 桃那View

ヤンデレ描写したことがないので、やりすぎた感。


R15は止めました。

――昼休み。


―ポリポリ。大して美味しくない野菜スティックをかじった。


「はぁ~……」


 肩肘を突いて、ぼけっとしながら昼ご飯を食べる。だらしがなくとも兄さんが居ないのを確認済みだから平気だ。


「桃那元気ないけど、どうしたの?」


 一緒にご飯を食べている亜美がため息を吐く私を心配して声を掛けてきた。でも理由は言えない。"今日はどうやって兄さんを襲うか考えていた"なんて口が裂けてもとても言えない。

 そう言えば亜美は昨日、兄さんと放課後に憎たらしいことに2人で会ってたんだっけ?

―カチッグオウウーーンッッ、グォルングォルンッ……。


「ちょ、ちょっと桃那!? な、なんでそんなの取り出してるの!?」


―ガタッ。大きな音を立てて亜美が席を立つ。私の手元にあるものに驚いたようだ。

 私の手にはエンジン音と共に刃を高速回転させている"あれ"があった。


「亜美? 質問に素直に答えなかったらどうなるか分かってるよね?」

「ええっ!? わ、私って殺されそうな程に何かしたぁ!?」

「まっさかー! ちょっと峰打ち程度しかしないってば」

「峰どこ!? それって死んじゃうよね!?」


 亜美がギャーギャー言うので首に沿えた。これで静かになるだろう。


「ヒィィィィッ!」

「昨日、亜美は兄さんと会ってたよね? 洗いざらい吐いて」

「あ、ああああ……。答えるから! 答えるから、これ外して!!」


 亜美は顔を涙でくしゃくしゃにし、失禁して足からは黄色い液体が漏れていた。

 私はそれをしまうと亜美にティッシュをあげて後始末をさせた。




「ふぅーん……? そう」

「ひっぐ、ぐす。うん……」


 泣きながら昨日会話したことを全て吐かせた。有態に言えば本当にただの世間話だった。脅しすぎた亜美には悪いことをしたかもしれない。

 今朝のことでちょっとイライラしていたのかもしれない。反省しなくちゃ。


「そういえば、亜美。今朝兄さんに誰がラブレター出したか知ってる?」

「え……? 2組の吉塚さん。って待って待って!! どこ行くの!?」


―グオルングオルンッ。私の手元にある獲物も、きっと相手を欲しているようだった。

 亜美が必死に止めるので、獲物は片付け素手で向かう事にした。



  * * *



「えーと、あなたが2組の吉塚?」

「いやっ。ち、違う!」

「そう……」

「うわっ、いててて……」


 2組に着いた私は、身近に居た男子生徒をとりあえず締め上げた。

 こいつではなかったらしいので、普通にその場に捨てる。

 次に目に付いた男子生徒を締め上げたら亜美が止めに入ってきた。


「ちょっ、そんなことしたらだめだって! それと吉塚さんは女だよ!!」

「それを早く言いなさい」


 前半の言葉を聞こえない私は女子を探す。皆、私から目を背けて中には教室から逃げる人も居た。これでは埒が明かない。

 私は教卓……つまり教室の一番前に行き、バァンッと物凄い音を立てて、全員をこちらに注目させる。教卓が粉砕したけれどそんなのは細かいこと。


「吉塚って、誰?」


 そう言うと、全員が1人の女子学生を見た。つまりあれが吉塚ってことになる。

―コツンコツンッと私が歩く音だけが教室内に響いた。外からはにぎやかな声が聞こえるが、この教室だけ静まり返っている。きっと教師でもこんなに生徒を静かにすることなんて出来ないだろう。


「吉塚。あなた今朝、兄さんに手紙出した?」

「ヒッ!! は、はい! 出しました!!」

「ちょっ、桃那ストップストップッ!!」


 亜美が、吉塚の首を軽く掴んだ私の手にしがみ付く。本当に首を絞めるようなことはしない。変なことを言わない限りは。

 仕方が無く私は吉塚を掴んだ手を離して質問を続けた。


「兄さんのことが好きなの?」

「い、いえ! 好きと言えば好きかもしれないけれど……」


 チラチラと何故か私の顔を見る。兄さんにラブレターを出すだけで万死に値すると言うのに、そこまで好きでもないのにラブレターを出したと言うの?


「正直に、言いなさい?」

「は、はいっ! 和雅さんにラブレターを出せば、桃那さんに迫られるって聞いたから!」

「"さん"じゃなくて"様"でしょ。あなた何様のつもり?」

「はいぃーーっ! 桃那様」


 流れがおかしくなってきて、今、吉塚は私の前に平伏している。周囲の人も唖然としていた。私だって唖然としている。

 だけれども、許せないことが1つだけある。

 それは兄さんにラブレターを出したと言うことだ。

―ガッ、ズリズリズリ。私はいつものように吉塚を掴むと強引に連れて行く。

 珍しく亜美が私の後ろから付いて来た。




 私は女子トイレに連れてきた吉塚に、下からズブッと指を突き入れた。


「って、ちょっと桃那! なにして!?」

「何って…。こうすれば二度と兄さんに手を出さないでしょ?」


 赤く染まる手を舐めつつ、後ろに居る亜美に私は答えた。

 亜美はそんな私の姿を見て震えているようだけど、私もこれが初めてではない。25人ほどはこうやったと思う。

 吉塚はあまりの痛みのためか、ビクビクと痙攣しながらだらしが無く失禁している。

 そんな吉塚を私は上から見下して、はっきりと言った。


「吉塚? 次、兄さんに手を出したら許さないから」

「は、はいぃ……。ありがとうございましたぁ……」


 何故か礼を言う吉塚をその場に残し、私達はトイレから出たのだった。





兄が関わると暴走する桃那です。それまでは普通なんですけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ