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紙一重の双子 和雅View

 初回なのでまだパンチは弱いです。


 桃那の容姿追加ー。一部修正。

 風凰学園――ここには、超ハイスペックな双子が居る。

 誰もが敬うほどの美男美女の2人。綺麗な透き通る程の銀色の髪、整った顔立ち。お互いとも容姿端麗は勿論のこと、何でも出来る文武両道の超ハイスペック。そして怪物級の能力。一つ一つを取り出しても伝説レベルの双子だ。

 しかしこの双子はとてつもない問題を抱えている。

 それは……。


 『お互いがお互いを度を軽く越している程に愛し合って、それを隠しあっていること』


 そしてその愛は全く別種の物であることも忘れてはいけない。

 双子の兄――柿椿 和雅(かきつばき かずまさ)は妹のことを、家族としてとてつもなく愛しており、その姿勢は妹を影から見守り、妹を自分を含め全ての男から守り抜くこと。言わば重度の変人とシスコンの融合体。

 双子の妹――柿椿 桃那(かきつばき ももな)は兄のことを、異性としてとてつもなく愛しており、その姿勢は肉体的にも精神的にも、誰よりも早く兄を独り占めすること。言わば軽くヤンデレの入った重度のブラコン。

 この2人の愛のすれ違いによって、風凰学園は大波乱に巻き込まれることになる……。



  * * *



 朝――俺は素早く起きねばならない。何故ならば俺には大切な双子の妹――桃那がいるからだ。

 桃那はそれは美しく、腰まで伸びた俺とお揃いの銀髪に、男どころか、女までもが敬うほどのスタイルを持つ。

 そしてそんな桃那が俺と競うように俺より早く起きようとする。しかし俺は桃那より絶対に早く起きなければいけないのだ。

 なので今は深夜3時。

 俺はムクリと、起き上がる。桃那を騙すように目覚ましは2時間後に鳴ることだろう。

 その理由は俺が風呂に入っている間に桃那は俺の部屋に侵入して、目覚まし時計を毎日チェックしているからだ。

 そして桃那はきっちり、目覚ましが鳴る1時間前に起床するはずだ。

―ガチャッ、キィィッ……。ゆっくり音を立てながら俺は自室のドアを開けて、2階の廊下へ出た。

 もちろん明かりなど点けられるものではないので、真っ暗だ。慎重にゆっくり一歩一歩進んでいく。

 そして俺の目標。それは……桃那より、いち早く弁当を作ることだ!!

 栄養バランスを綿密に計算して、太り過ぎず痩せ過ぎないものを仕上げねばならない。

 桃那に先を越された場合、桃那が作る俺の分は普通なのだが、桃那の分だけ太らないようにと低カロリーの弁当を作るのだ。そして俺にはそれがとても心配だ。

 最近の桃那はスタイルを物凄く気にしている。だが俺としては痩せ過ぎて、子供を産む時の負担や病気等を考えると、それはとてもとても気が気ではない。もちろん出産については例えの話であって、桃那が誰かの子供を産むなど断固反対する。

 桃那の全ての初めては死ぬまで俺が必ず守り通すからだ!!

―ギシッギシッ。忍び足で歩みを進めているが、この廊下で音を立てずに歩くのは無理だ。色んな手を試したがどれもダメだった。這い蹲って歩いたら目の前にスカートを穿いた桃那が居たこともある。

 もちろん中身を見るなど、愚かな真似は絶対にしない。桃那の下着を見た奴が居たら、きっと俺はこの手を汚さねばならない。それが例え自分でも、だ。

―ギシッ……ピンッ。突然、足に何かが引っかかった感触がした。

 しまった! これは桃那の罠だ!!

 俺は今までの慎重さを捨て、一気に飛び跳ねキッチンへ駆けだした。

―ガチャッ。案の定、桃那の部屋のドアから音がした。

 どうやら俺が目覚ましに細工していたことが桃那にばれていたらしい。我が妹ながら恐ろしいやつだ。

―スッ……ダンッ!! 俺は階段を使わず一気に1階へ飛び降りた。

 俺と桃那の部屋は2階で、両親は1階に居住している。そして桃那が1つの罠だけを仕組んでいるとは思えない。ならばもう1つ仕掛けるとしたら恐らく階段であろう。

 桃那と同時にキッチンへゴールインすると、お互いが自分の弁当を作って終わると言うとてつもない不毛な戦いになるために俺はなんとしてでも先に行かねばならない。

 しかし、桃那は更なる罠を張っていた。


「きゃっ!」


 突然頭上から桃那の悲鳴が聞こえ、1階へ着地した俺の頭上から桃那が降ってきた。

 本来ならば誰しも桃那には触れてもならないのだが、ここで桃那を助けないと言うのは更に許されないことだ。

 俺は苦渋の選択で助けることを選んだ。咄嗟に受け止める姿勢を取って、桃那を受け止めた。

 グッと、かなりの重みが来たが、桃那はそこまで重たくはないので落下速度の影響だろう。そして着地と桃那を受け止めたせいで、足にきた俺はすぐに動けない。


「兄さん、ありがとっ」


 桃那は軽くヒョイッと、動けない俺をよそに俺の腕から飛び出して一目散にキッチンへ向かった。

 や、やられた……。

 桃那は俺を出し抜くために敢えてこの作戦を取り、女の武器を使ってきたのだろう。これでは回避不能だ。

 俺は諦めて、カロリーを殆ど摂取出来ないような弁当を作る我が妹にデザートを作ることにした。メインの弁当を作ってる桃那の脇で先にデザートを作れば完成だ。これぐらいは許して欲しい。

 俺達には『作った物は必ず残さず食べましょう』と『無駄に作り過ぎないように』と言う両親の言伝がある。必ず守らねばならない。前にそれで桃那と喧嘩になった所で両親に怒られた。


――朝6時。


「「「いただきます」」」


 家族総出で朝食を頂く。今日の朝飯は桃那の料理だ。

 俺はチラリと桃那の朝食を盗み見る。野菜中心と言うより炭水化物すらない野菜のみで、朝からカロリーがとても控えめだ。とても心配になる。

 俺の朝食を少しでも分け与えたいが、自分に出された物は自分で食べるとルールで決まっている。

 俺が朝食を作れば桃那も必ず文句も言わずに全て食べてくれる。だから今日は負けてしまったが、俺は毎朝桃那より早く作らなくてはならない。


「あ、そうそう。夜中になんか、ドンッて大きな音がしなかった?」

「「しなかった」」


 母が俺のしでかしたことを口にしたが、俺と桃那が口を揃えて白を通す。こう言う所はとてもソックリだ。

 母も「そう?」と、不思議そうに返すだけで深くは突っ込まない。何せ日常茶飯事だからな。


 俺達はこんな感じの双子である。




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