第三話 突然の襲撃
最近書いてなかったです・・・
すいません><
俺を目覚めさせたのは匂いだった。
とても懐かしく、嫌な思い出の残る匂いだ・・・
目を開いて体を起こす。
たった5時間ほど眠っただけでは疲れが取れないのはわかっていた。
けどどうしても睡魔に勝つことは出来なかった。
ドアが開く。
ひょこんと現れたのは、昨日助けた少女だった。
サフィーナとか言ったっけ・・・?
サフィーナは俺を見るなり頬を赤らめた。
「あのっ・・・昨日は助けていただいてありがとうございました」
「あ・・・あぁ」
寝起きだったのでそっけない返事を返してしまった。
「宿の方に材料をいただいたので、シチューを作りました、良かったら食べてください」
「ん・・・」
サフィーナはそう言うとそそくさと出て行った。
シチューか・・・
俺は心の中で母さんの手料理の最後はあの“かぶのシチュー”だったな、と思い返した。
今となっては母さんの手料理で思い出せるのはそれだけだった。
起き上がって鏡の前に立ってはじめて気がついた。
そこでソールはあのサフィーナがなぜ頬を赤らめたのかがわかった気がした。
そういえば昨日服がびしょ濡れだったから干したまんまだったんだな・・・
俺は上半身裸で寝ていた。
テーブルについてシチューを口に運ぶ。
暖かいシチューが喉を通ると、生きていて食事が出来るありがたさがとてもわかった。
母さんのシチューよりは不味くなかった・・・
たいらげた後にそう思った。
その後あの娘の歳はいくつか気になった。
別にソールが彼女に気があったわけではなくて、サフィーナの年齢によってはなぜあんなところに居たのかを聞かなければならない必要があったからであった。
キョロキョロとサフィーナを探す。
宿の中には彼女は居ないようだった。
いったいどこへ行ったんだ?
外へ出ると潮の香りがした。
そういえばこの町は海に面していたんだったな、と思い出す。
ソールは湖は見たことがあっても、海は見たことがなかった。
そう思い港へ向かう。
朝日を受けて輝く海。
遥か彼方にある地平線。
はじめて見たのになぜか見たことがある気がした。
その空よりも少し深い色の海を見て不意に瞳から涙が零れ落ちた。
その涙を拭ったときに視界に入ってきたものがあった。
まるでこの海の水を固めたような蒼いワンピースを着たあの娘が。
後ろで束ねたポニーテールと腰に巻かれたリボンが風になびいていた。
俺は見とれてしまった。
母さんも女だったけどそんなことはなかった。
なんだ・・・・この感じは・・・?
それを不思議に思っているとサフィーナがこちらに気づいたようで、こっちに走ってきた・・・
その時だった。
サフィーナを取り囲む黒い服をまとった男達。
必死に逃げようとする彼女。
俺は助けようとしたが、何も持たずに奴らに近づくのは危険だと思い、宿へ全速力で走って行った。
戻ったとき、まだ黒い服の男達は居た。
サフィーナはどこかへ連れて行かれたようだ。
俺は奴らに近づいていった。
「なんだぁ・・・お前?」
話しかけられたのも無視して、剣を振り上げる。
振り下ろした剣がよけられる。
「あの娘をどこへやった・・・?」
「あぁ?あの女か・・・しらねえなぁ・・・」
「嘘をつくなッ!!」
剣をまた振り上げたときいきなりめまいがした。
えっ・・・なんだ・・・急にッ・・・・
ふらっとよろけた所に蹴りが入る。
ドサっと俺は倒れた。
奴らに羽交い絞めにされ殴られる、蹴られる・・・
ソールの意識はだんだん遠のいていった・・・