第二話 疲れ
・・・・・ここはどこ?
パシッ
え・・・?
「あなたが・・・・あなたさえ生まれてこなければ・・・・母様は亡くならなかったのにっ!」
お姉さま・・・・あたしは何もしていないわ!
「あなたのせいよ!あなたさえ居なければ・・・・母様は生きておられたのに!!」
お姉さま・・・・あたしはどうすればよかったの?生まれてこなければよかったと言うの!?
「そうよ、あなたみたいな出来損ないはこの一族にはいらないの」
「あなたなんかいらないの、水と共に生きれないなんて一族の恥よ!!」
そんな・・・・あたしは・・・・好きで生まれてきたんじゃないわ!!
「なら勝手にどこかへ行って頂戴、そのイヤリングを渡してからね」
・・・・!これは母様の形見ッ!いくらお姉さまでも渡さないッ!!
「あなたが持っていても意味はないの、使えるわけないじゃない」
「そうよ、純血でないのに使えるはずがないわ」
使えるわ!あたしだって母様の血を継いでいるのだからッ!!
――――――――タッタッ――――――――
「待ちなさい!返しなさいっ!!」
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お・・・・・・きろ・・・おきろっ・・・・・起きろってばッ!!
「・・・・!?」
「お前大丈夫か?なんかうなされてたけど・・・・」
ソールは少女に話しかける。
「・・・・あなたは・・・・誰?」
「俺はソール、ここはリリーって町の宿だ」
「宿・・・?」
「お前俺の前に急に倒れてきたからつれて来てやったんだ」
「・・・・ありがとう」
ソールは少女に水を差し出した。
少女はのどが渇いていたらしくゴクゴク水を飲んだ。
「お前の名前は?」
「あたし・・・・あたしはサフィーナ」
「サフィーナ・・・・まず疲れてるだろ、宿代は気にしないで休んで良いから」
「ありが・・・と・・う」
サフィーナはよほど疲れていたのかすぐにまた眠ってしまった。
ソールは宿の人に頼んで作ってもらったスープを飲んだ。
さぁ・・・・これからどうしたものかなぁ・・・・
まずは人魚族の手がかり・・・・からかな・・・
ソールは少女を見た。
この子もどこから来たのか聞かないといけないし・・・・
ソールはため息をついた。
最近あまり休んでいなかったなぁ・・・と思い床に敷いた毛布の上に横になるとすぐに眠ってしまった。
外の雨は止むことなく降り続いていた。