焦がれた者たちの道
これは──。
とある世界──。
とある国のお話──。
その国の辺境には1人の少年が居ました。
その国は、いえ世界は非常に困窮しており
人は明日の食べ物でさえ何とか食い繋いでいる状況でした。
少年のお仕事は羊を誘導しては育て、時には毛を苅り
そして羊の命が終わればそれを捧げるのがお仕事でした。
羊の捧げの幾ばくかは恩賞として少年は貰い
それが少年の食い繋ぐ為の命でした。
ある日、少年は羊を誘導してる中で風に誘われて
少し離れた森の中に入りました。
風に誘われ──森に誘われ──進んだ先には怪我を負った仔犬が居ました。
少年は仔犬を介抱しました。
少年の家族や周りの者には、命として繋ぐために捧げろと言われましたが少年はこの日初めて反抗をしたのでした。
少年の周りには人が居なくなりまたが、少年の心は身体は暖かいです。
そう、少年の隣には傷の癒えた仔犬が──今は犬に成長した存在が居ました。
少年も気付いたら青年と言っても良い年齢になりました。
そして、困窮した世界の闇を目にもします。
近くの家の家族が亡くなると、その日は贅沢なお肉が振る舞われました。
ですが、それは家族単位の話です。
けれども、ある日青年の家族にも豪華なお肉が振る舞われましたが青年は手を付けることはありませんでした。
そして、幾年か過ぎて犬は老犬に──。
そして、老人は──。
けれども、その犬はそれは立派に立派に育っており。
青年との間の友情──いえ、そこにはそれ以上の何かが芽生えておりました。
青年はいつか僕もそちら側へと行くよと言います。
そして、立派な犬はそれは簡単に命を繋ぐ存在ではないと
この国の唯一の魔女様へと捧げられることになりました。
そして、国の唯一の魔女へと捧げられた魔女はその命を口に宿した時に生まれ変わったような気分になりました。
その日──魔女は国から行方不明になりました。
青年は1人になりました。
そう、青年の辺境の場所は飢饉からの病が発生していました。
唯一青年だけがその病から逃れており、ですがその生命も危なくなっておりました。
そして、森の恵みを食い繋いでは命を繋いでいた青年はあの仔犬と出逢った場所へと辿り着いておりました。
そこに国から行方不明になった魔女が──いえ、魔女の髪には1束赤色のメッシュが入っておりました。
その赤色のメッシュは青年が共に過ごした犬にもあったものでした。
君はあの時の犬なのかい?
そう、青年が問い掛けると頷く魔女がおりました。
そうか──。
青年が安堵に微笑むと魔女が手を差し伸ばして来ました。
青年はその手を取ってはお互いに隣り合って歩いて行きます。
そして、違った国ではある日の夕焼けの中に
1人の赤色のメッシュが入った女性と──。
1匹のあの日の青年の特徴の青色の1束のメッシュが入った立派な犬が隣り合って歩いておりました。
────。
──。
いつしか世界はまた時を経ます。
そして、目覚めた世界には命が多く生まれては
人々の生活は豊かに命が繋がれていきます。
夕焼けの道の中で羊を誘導している人が居ました。
そして、そこには赤色のメッシュが入った犬と青色のメッシュが入った犬が羊を追いかけては誘導し終えたら仲良く隣り合っては身体を預けあっておりました。
そこに旅の人が通ります。
そこの人この先は何があるのだい?
ここは焦がれた者たちの道という場所さ。
そして、この先は大量の骨がある骨の国があるだけさ──と。
これはとある世界の──。
とある国のお話──。