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シャー芯勇者の巻き込まれ冒険譚  作者: 入鹿布団
転移とクラン入団編
1/9

プロローグ

        


「この夏休みで、勉強に励むもよし、部活に打ち込むもよしだ。みんなにとって有意義なものにしてくれ」


先生のお決まりの言葉に、特に目標もなくバイトをして過ごすんだろうなと考えていると……


「ただ、わかっているとは思うが1年生は夏休み最初の3日間林間合宿があるから、明日の朝遅れないように以上」


夏休み前最後のホームルームが終わった。


「夏休み海いこうよ」

「じゃあ、合宿終わったら一緒に水着買いにいこ」

「明日の合宿何持ってく?」

「やっぱり、お菓子とトランプでしょ」


クラスメイト達が帰りの支度をしながら夏休みの約束や明日の合宿について話し合っていた。

帰ったら荷造りしないとな。


「おーい、シンジ何ぼーっとしてんだよ」


優太朗が話しかけてきた。

小学校からの友人で高校入学と共に趣味を隠す気がなくなり、前に話していたアニメのストラップがかばんに増えていた。


「ん?、なんでもないよ」

「そうか、ついに今日新作のゲームが発売するんだけど買いにいかね?」

「...また美少女ゲー?」

「おお!流石俺の親友よくわかっているな、今回の作品は6人のヒロインがいて最終的には誰かと結婚するという結構大作なんだけど、ヒロイン一人一人が魅力的でまず一人目の河合彩音さんがもうTHE清楚系ヒロインって感じで趣味はピアノなんだって、で二人目のt  ..............


5人目がメンヘラっぽいけど顔が好みとかそんなことっしか覚えてない。


ってわけで一緒に、推しの話とかしてみたいんだけど」

「ごめん、そこまでの熱量を持ち合わせてない」

「頼むってこんなにオープンなのに同士ができてないんだよ~この作品だけでいいから!ね⁉」


まあ、お前顔は結構かっこいいのにその趣味だから男女両方ともしゃべりかけづらいわな。


「俺が飽きっぽいの知ってるだろ。大作なら最後までできる気がしないよ」

「序盤だけでもいいって、そこから絶対はまるから!」


その後も、しつこく勧誘してきたが振り切ることに成功した。

でも、そんな大作なら今年の夏休みはあんまり遊べないか。


急いで正門を抜けて、ある程度進むと一人になった。

帰り道で一人のこの時間につまらない考え事をするのが日課となっていた。


今日の題材は、先生の言っていた(有意義な夏休み)とは何かだ。

やっぱり、目標を持って生活したほうがいいのかなと思う。だけど、何を目標にすればいいか分からない。勉強にしても、部活にしてもそうだが、必ず物事には自分よりもその事が好きな人がいてその人と戦っていくのは難しい。

また、自分の人生における目標とは(幸せになること)であり幸せの定義は人によって違う。

自分は何が自分にとって幸せかまだみつかっていない。


何か 


       'ひとつこれを極めればいい'



というものがあれば楽なのにと思ってしまう。

それさえやっていれば幸せになれるそんなものが。


そんなことを考えていると家についた。


次の日の朝、眠い目を擦りながら荷造りしたバックを持ち学校へ向かう。


「おはよう」

「ふあぁ..。おはよう、シンジ」


バスの横で並んでいる優太朗を見つけ合宿先へのバスに乗り込んだ。


「徹夜でやって来たの?」

「うーん、何とか3回目のデートまで出来たんだけど、そこから分岐が多くて。ごめん、ちょっと寝るわ」

「わかった、着きそうになったら起こすよ」


バスの時間は各々本を読んだり、友達とお菓子交換したりして、後半にはバスのカラオケセットでカラオケをしたりと穏やかに流れていった。


ドン❗ガガギィイイ


爆発音のようなものがした後、金属と金属がすり合うような音がした。

空中投げ出されたような浮遊感。世界が回った。



何人かのクラスメイトが頭の上で転がっており、悲鳴が聞こえる。

それでもまだ、回り続ける。


この世の終わりのような光景だなと思ったが、

本当にこの世の終わりなんだろう。


隣で呑気に寝ている親友を眺めながら、気がついたらこれまでの人生を振り返っていた。


いじめられることもなく、友達もできて幸せな人生だったんじゃないかな。ちょっと短すぎたけど、そこを除けば満足だったなあ。

ただ、もう少し彩りを加えるなら自分が心の底から打ち込めるものを見つけたかった。

でも、打ち込んだら幸せになれたんだろうか。

だめだ、こんなときにもつまらないことを考えてる。


優太朗そろそろ起きろよ。

こんなことなら、優太朗と徹夜でゲームすれば良かったな。


ドゥン❗という音がした後、衝撃ととてつもない重力を感じ意識を失った。











白を貴重とした、白以外を許すことのない宮殿に彼女はいた。

美しい宮殿に寝転がりながら、空中に浮いたモニターのようなものを眺めていた。



「やっべー、ちょっと魔族たち強くしすぎたか。人類側に救世主でも入れますかー。おっ、ちょうどいいところに、これも運命よね。1年A組の皆様ご案なーい」

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