表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サブマリンと神主打法  作者: はこはま
プロローグ
1/7

プロローグ

汗がにじむ左手。強く握るボール。

美唄ファイヤーズの大エース、田中恒成は少年野球北海道大会、決勝のマウンドに立っていた。

7回ツーアウト。8球粘られた末にフォアボールでのランナーを出してしまったが、ここまでノーヒットで抑えている。

1-0。どうにか食らいついてヒットを繋ぎとった1点であったが、大切に守り抜き最終回である7回まで投げ抜いた。まもなく完封勝利で全国大会への切符を手にしようとしている。

カウントはツースリー。ファウルで粘られ、11球目。恒成は相手、中標津フレッシャーズの主砲、高木駿太と対峙しもうすぐ5分が経過しようとしていた。汗が滲む手をユニフォームで拭き、グラブにボールを押し込んだ。


この一球で決めてやる。


その一心で、ミットが構えられた高めにストレートを投げ込む。

白球が糸を引き、キャッチャーミットに収まろうとした瞬間、金属バットの快音が球場内に鳴り響いた。

北の大地の真ん中で、どんなときもマウンドで仁王立ちしたエースが、崩れ落ちた瞬間だった。


「っしゃぁ!!」


高木は右拳を握りながら天まで高く上げる。

ダイヤモンドを拳を握ったまま駆け回る。チームメイトがホームベースを囲い、彼を出迎える。少年野球北海道大会決勝が、終わりを迎えるその瞬間であった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ