不法投棄されたブラウン管テレビに映っていたもの。
その日私は会社が所有している山に不法投棄されているであろう粗大ゴミの回収に向かった。
案の定、山の奥に続く私道を塞いでいる門の鍵が壊されている。
上司に掛け合って監視カメラを設置してもらおうと思いながら門を開け、山の奥に向かう。
道の脇のあちこちに冷蔵庫、洗濯機、パソコン、原付バイク等々の粗大ゴミが捨ててあった。
取り合えず私道が途切れる最奥まで行き帰りに拾う事にする。
私道が途切れ少し開けたところにも粗大ゴミが捨ててあった。
捨ててある粗大ゴミのブラウン管テレビに手を掛けようとした時、突然テレビの画面が映る。
携帯が繋がらない山奥で当然電気なんて無いのにだぞ。
映っているものを見て私は言葉を失い、速攻で携帯が繋がる場所まで車を走らせ警察に電話を掛ける。
最初に来たパトカーの警察官達をテレビが不法投棄されていた私道の最奥に案内した。
テレビの画面には私が先程見たものが繰り返し映し出されている。
警察官達もそれを見て真っ青な顔になり無線で警察署に連絡。
そのあとは鑑識を含む多数の警察官が来て私はそこから退去させられる。
此処からは最初に来た警察官の1人が教えてくれた事だけど、テレビは鑑識の係官が警察署に運んだ後も同じ映像を映し続け、テレビがあった場所の地面に掘り返された痕があったので掘ったら遺体が出てきたとの事だった。
え? 何が映っていたのかって?
それは、ブラウン管テレビの下に埋められていた被害者が殺され埋められるところまでの一部始終が犯人を含めて映っていたんだよ。