怪しい神様と、異世界少女との出会いの夢 4
お願いの体ではあるが、二人には逆らえなかった。
二人にとってはキスカはバケモノデある。ここへ入ってからというもの、人類より高い能力と知能を持っていると本能が警鐘を鳴らせている。何か気に障る事でもしようものならその高い能力故どんな目に遭わされるか分かったものではない。知能が高いのも、人間と明らかに目線が違う故、同じ物差しが使えるかといえば、答えはノーと言わざるを得ない。
故に二人には断るという選択肢は無かった。二人はこの場所へ入ってからというもの、ちょっとしたパニック状態に陥っており、物事を考える事は到底できない状態であった。そして二人はちょっと考えたふりをした後、
「了解しました。全体像は全く見えませんが、引き受けましょう。」
「分かりました。引き受けましょう。」
キスカの要求に従う返事をするのであった。
「先ほど授けた魂はすでに同期は済ませてあります。魂の切り替えは自動で行われますが、経験を重ねれば、自分自身で魂の交換時期の選択もできるようになるでしょう。
そち等の魂の同居の時期に関しては明日から毎日1時間、慣れてくれば時間を増やしていくということにしましょう。」
二人はコクリと頷いた。
「この空間は殺風景ですねぇ。これからミーティングに使うことも考えれば何か飾り付けでもしたくもなるというものです。3人の落ち着ける雰囲気に模様替え。考えなければなりませんね。」
この空間に入ってから、体感で20分くらい経ったであろうか。そもそもこの空間は真っ暗で、3人と椅子、テーブル、ティーセット以外は何も無い闇の中。当然、時計も無いのである。
3人はまたこの空間でミーティングとやらを開くことはキスカにとってはもう決定事項であるらしい。
仕方がないので二人はまたコクリと頷く。
「それでは今日は疲れたでしょうし、睡眠はしっかりと摂ってもらわなければなりません。それでは今日のミーティングはこれでお開きにしましょう」
キスカがそう言うと、二郎は凄いスピードで今居た位置から遠ざかる。身体に負担はない。そして、また、ゆっくりと意識は闇の中へ沈んでいくのであった。