設定資料集
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1 世界観
未定
2 専門用語
*不誠実な隣人
世界の法則から逸脱した存在。通称<Neighbors>。
本来の物理法則、現象法則を無視した影響を周囲に及ぼす存在であるが、外見のあるものはその世界における存在から大きくかけ離れることはない。それにより人間は認識することはできるため、この名がつけられることとなった。
規格は一定せず、人物、物質、現象、思考、概念など多岐にわたる。
世界各国、あらゆる年代において存在は確認されており、記録に残る最古の<Neighbors>は第三段階のMaterial属性「トゥト・アンク・アメンの仮面」。
一般にはツタンカーメンの名称で馴染みのあるファラオの埋葬品の一つであり、ピラミッド内の玄室に埋葬された王の遺骸に着けられていたもの。ピラミッドは紀元前2600年代から建造されたとされている有名な建造物の総称ではあるが、現在同規模のものを現在の技術で建造しようとしても途方もない規模となり、これが紀元前時代に行われたと考えると凄まじい数の人員、期間、材料などが必要となるものとされており、正確な技術法などは分かっていない。
また<Neighbors>として認定されるには、世界の物理・自然法則に反する影響を及ぼすことが必要となるが、この仮面には「概念催眠」の異能があるとされている。ツタンカーメンの墓所発掘の際、関係者の多くが病死・事故死したという「ツタンカーメンの呪い」が噂されていたが、後年にはこれが誤りであったとされている。
それでもなお、「呪い」という概念が多くの人間の精神に影響を及ぼし、直接墓所発掘に関係しなかった人間にまで死という現象を誘発させるだけの異能が認められた。
<Neighbors>は三段階に分類されている。分類基準はS.H.M.N.(the Society for the Historical Maintenance against Neighbors)により定義されている。また、これらは第一段階であるが故に制御しやすく影響力が弱いということではなく、その段階ですら人を死に至らしめるだけの異能も存在する。このことはS.H.M.N.の初任研修でも第一級必須講義としてカリキュラムに位置づけられている。
第一段階<Weird>
この段階における異能は、発動条件および無効化条件がある程度解析されているものが分類される。
確認されているものの74%がS.H.M.N.の支部にて管理され、拘束されている。
第二段階<Qliphoth>
この段階における異能は、発動条件および無効化条件の一部が解析、実行可能とされているものが分類される。
しかしながら未知の部分が多く、S.H.M.N.の管理下をもってしても制御は困難なものも存在し、確認されているものの27%がS.H.M.N.本部にて管理、拘束されている。また第二段階の<Neighbors>は自律的自我を有するものが多く、そうしたものはS.H.M.N.の非接触式管理として24時間の監視が行われている。
第三段階<Extinction>
この段階における異能は、存在が確認されているものの発動条件または無効化条件が一切解析されていない、いわば制御不可能状態にある異能。
そのため存在確認ののち、物理的破壊により問題修正が可能であるものに対しては即時破壊が命令される。非常に数が少ないが、有史以来幾度となく第三段階の異能は確認され、人類史に影響を及ぼしてきた。逆説的にはなるが、この第三段階の存在と破壊がS.H.M.N.の存在意義である。
*戦友
S.H.M.N.戦闘職員の用いる武器。通称<Comrades>。
対<Neighbors>戦闘において、物理的破壊を行う通常兵器が効果を及ぼすことは稀である。
<Weird>位階の<Neighbors>であっても物理破壊を無効化する存在が確認されており、それ故過去の対<Neighbors>戦闘において、管理拘束状態の<Neighbors>を用いた記録が残されている。
1832年、フランス・パリにおける六月暴動にて<Neighbors>が関与していることが確認された。<Neighbors>は第二段階のMaterial属性「ドージャの鉄玉座」。王国へ農民反乱を起こし、鎮圧ののち処刑されたドージャ・ジェルジが息絶えたときに座していた処刑器具であった。用いられた<Comrades>についての記録は残されていないものの、如何なる物理的破壊をもってしても「ドージャの鉄玉座」は破壊できなかったとされている。
*改竄者
有史以来、幾度となく出現が確認されてきた<Neighbors>。
それらは本来、超因果律的法則による発生であり、独自の行動・反応規律をもって周囲へ影響を及ぼしている。
しかしながら、数回にわたり人為的な<Neighbors>による広範囲・長期的災禍が確認されている。それらは決して無視できぬだけの傷跡を人類史に遺しており、そのたびに人類は生存をかけた抵抗を行ってきた。その人為的・作為的災禍の主導者もしくは<Neighbors>使役者を<Alterer>と呼ぶ。
最も大きな影響を及ぼした<Alterer>はザクセン朝第3代皇帝、オットー3世。
記録によれば、民衆の支持を失い失墜の一途をたどっているローマ帝国復興のため、自らを「使徒より冠を戴きし者」と名乗り、新たなる千年紀の支配を神より任命された神聖皇帝であると名乗った。そして真に新たな千年紀を迎える年の皇帝となるべく、世界時間にして297年という膨大な時間を<Neighbors>に「食わせ」た。
これによる因果律改竄のフィードバックは相当なものであり、当時オットー3世の戴冠式を行った教皇グレゴリウス5世は999年に<Neighbors>の異能反作用により死去。オットー3世自らも21歳という若さでこの世を去っている。
この297年の喪失をS.H.M.N.は「最大最悪の人類史における反特異点」であると定義。これは最大規模の「概念浸食」の異能である。またこれだけの規模の災禍はこれ以降確認されておらず、その理由として当時の文化価値としてのキリスト教が非常に大きいもののために起きたとする学者もいる。この論文を支持する者は多く、それ故<Neighbors>は<Alterer>と深い関係にあり、自然発生的に生まれるものではないとする学者も一定数存在する。