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三番目の、未来を予知する佐々木萌子について。

 いつからだろう。

 いつの間にか、将来が少しだけ分かるようになった。本当に少しだけ。

 何気なく生活していると、ふとデジャブにあった時のように頭の中にその情景が思い浮かんでしまう事がある。

 始めてそれを自覚したのは小学校の時。

 アニメを見て大勢の子どもが病院に行く情景だった。何のアニメだったかは覚えていないけど。

 そして、数日前に感じた情景に出てきたアニメが現実に本当に放送された時は、本当にショックだった。

 その次の日、私は熱を出して寝込んだ事を覚えている。両親は一連の事件と同様の物と考えたらしく、病院に行った。

 その日は学校を休み、家でゆっくり休んだ。

 ベッドで横になりながらあの情景と現実とを比べたんだ。

 その時の事を思い出そうとするが、今となってはちゃんとした記憶が残っていないので正確な事は言えない。だが、全く同じだったと思う。

 それから、時々未来が分かるようになった。

 六年生の時に口を滑らせた事があった。あの時は、

「おーい、モーエー」

 突然聞こえてきたこの声は田中さや子のもの。私の親友で、多分私が予知能力があることを知っていると思う。

 目を上げると、彼女の顔があった。

「なに?」

 小首を傾げて聞いてみる。

「何考えてたのかなって」

「あ、また私考え込んでた?」

「うん」

「ごめんごめんご」

「誤らなくて良いんだけど」

 苦笑される。

「それで、何か聞きたい事?」

「うん、まあ。一昨日、モエさ、新聞部室に行ったよね」

 ドキッ

「何してたのかなーって」

「何もしてないよ。なに、も」

 何となく嫌な予感がしたため、尻すぼみになった。

 それに気付いたさや子が顔を近づけて聞いてくる。

「モエ、どうしたの。いつものあれ?」

「うん。なんか今日のはヤバイよ」

 私はこの時、2年7組で何が起こるのかを知っていた。

 一昨日、新聞部部長にも相談をした。

 だが部長は、何も出来ないだろう、と言っていた。

 たとえ未来を変えたとしても、どこかに変わっていない未来がある。

 たとえ未来を変えなくても、どこかに変わってしまった未来がある。

 結局、この私の予知能力って、何なのだろう。本当に、私が感じる情景は未来に起こる事なのだろうか。

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