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黒鋼の竜と裁きの天使 裁きを受けるのは人類か、それとも……  作者: やねいあんじ
東フェルダート戦線編 第1章 紅蓮の炎と裁きの雷
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鋼鉄竜の咆哮

 ここは、レンスターから約三十キロメートル東に位置する、キルシュティ半島の玄関口にあたる海岸だ。この平坦な長く見通しの良い海岸線は、キアラたち訪問騎士団が搭乗していたギガントが不時着した場所だった。


 訪問騎士団の最上席者ウッツ・ヘニング大尉の話によると、キルシュティ半島北岸で発見した油田地帯に前哨基地が完成するまでの間、ヴァイマル帝国は、この天然の滑走路を使って東フェルダート地方の情報を集めていたのだという。


 俺は、この海岸に見覚えがあった。俺たちがレンスター入りする前日にロック鳥に襲われた場所だ。あの岬に突き出した岩山は、漁師たちが陸標にしているとアスリンから聞いた話を思い出す。つい一ヵ月前のことなのに何だか懐かしい。


 そしてこれから、この海岸でレンスターの軍勢と訪問騎士団による合同演習が行われようとしている。この演習は、損傷が酷く解体予定だった二機のギガントを標的とし、互いが持つ武力を行使してこれを破壊するという内容だ。


 既に海岸は、訪問騎士団によって演習の準備ができており、約五百メートルの間隔を空けてギガントが配置されている。また、切り取られたギガントの尾翼部の鉄板が浜辺に配置され、レンスター騎士の甲冑を着けたダミー人形が三十体近く並べられている。


 この演習でレンスターの軍勢の総指揮を執るのは、リチャード・レンスター公王陛下御身だ。俺たちがこの海岸へ来ているのは、公王陛下の護衛を務めることになったからだ。


 そもそも、演習が急遽行われることになった背景に、間もなく雨季が到来するという時間的な問題の他に、二つの目的があった。


 まず、一つ目の目的として、戦車や銃火器の威力に疑念を抱くレンスターの騎士や兵士たちに、近代兵器の威力を知ってもらうことだ。北伐の軍勢も同じ兵器を使うため、これは敵を知る上でも必要なことだ。幸村が、キューベルワーゲン三号の機関銃を披露する予定もあったけど、戦車を使った演習に勝るものはない。


 二つ目の目的は、レンスターの魔導隊が扱うアルスター製の戦闘用のオーブが、鋼鉄製の大型輸送機を相手に、どこまで通用するか知りたいという訪問騎士団側の要望だ。訪問騎士団の燃料と弾薬には限りがある。そのため、銃火器以外で戦う方法も、念頭に入れておく必要があるという理由だ。


「陛下。演習開始前に最終の打ち合わせがしたいと、訪問騎士団のヘニング大尉がお見えです」


 王室専用の馬車の前で、アスリンが公王陛下に用件を伝えた。アスリンと幸村は、レンスターの軍勢が演習地に到着した旨を伝えるために、訪問騎士団のキャンプへ向かっていた。その知らせを受けたヘニング大尉以下六名の士官たちが、最終的な打ち合わせをするために公王陛下の元へ訪ねてきたという流れだ。


「足労掛けたな、アトカ。我らも彼らの元へと出向こう。ジャスティン導師、ダスター卿、共に行くぞ」


「承知しました」

「御意」


 陛下の言葉に返事をするジャスティン導師とダスター卿。


『ハル。陛下が馬車をお降りになる前に、私たちが先に降りて差添えをするからね』


 彩葉から念話が送られ、警護の段取りが説明された。俺は彩葉に伝えられた通り、公王陛下より先に馬車を降りて待機する。陛下が馬車から降りたのを確認すると、ヘニング大尉が前に歩み出て陛下に敬礼を送った。


「このような遠方まで遥々足を運んでいただき光栄です、陛下」


「いや、兵たちにとって良い行軍訓練になる。気遣いは無用だ、ヘニング大尉。レンスターへ戻る時間も踏まえれば、休息を取る時間もままならぬ。急かすようで申し訳ないが、早速打合せを頼む」


 ヘニング大尉の挨拶に陛下が答えると、首脳陣は早速打合せを始めた。


 ヘニング大尉のすぐ隣にキアラの姿があった。相変わらず彼女の右目は、堕ちた天使の証だという青白い光を放っている。彼女の目に映る俺の姿も同じなのだろう。昨夜は少し眠れたのか、昨日より顔色が良さそうだ。


 キアラと目が合うと、彼女は微笑みながら俺に軽く手を振ってきた。俺も軽く手を上げて彼女に応えた。幸村も嬉しそうに彼女に手を振っている。自然に振る舞う彼女は、俺たちと同じ世代の普通の女の子にしか見えないけれど、帝国軍人の士官であり高貴なプロイセン貴族の伯爵令嬢なのだという。


 妙に痛々しい視線を感じたので、俺はその視線の主に目を移した。もちろん、その視線の主は、不機嫌そうに半目で俺を見つめている彩葉だ。さすがに念話で文句まで言って来ることはなかったけど、疾しいことをしているわけではないので、そんな目で見つめられると反応に困ってしまう。


 双方の首脳陣による打合せが終わると、すぐに演習が開始されることになった。先手を取ったレンスターの軍勢は、手前に配置されているギガントに攻撃を仕掛けることになった。


 俺の隣で幸村は、スマホで動画を撮り始めた。これは、今日の演習に参加できない堅牢のロレンスに撮影を頼まれたものだ。ロレンスさんは、キアラたち訪問騎士団との盟約に関する残務に追われ、レンスターから離れられない状態にあった。


 先陣を切るレンスターの軍勢は、精鋭揃いの五百名を越える騎士と兵士たちだ。公王陛下の命令により、ダスター卿の指示で武装した軍馬に跨る騎士と歩兵が横一列に並ぶ陣形を組む。その姿は、中世の軍隊とはいえ圧巻だ。


「かかれーっ!」


 ダスター卿の号令で、兵士たちが(とき)の声を上げながら一糸乱れぬ動きで一斉に動き出した。まず、三百名を超える両翼の歩兵隊が前進して弓を構え、ギガントに向けて一斉に矢を放った。しかし、放たれた矢はギガントに命中しているものの、刺さることなく弾き返されてしまう。


 続いて、弓を放った歩兵の間から騎士たちが前進した。騎兵隊の先頭に立つのは、ハイマン卿だ。騎兵隊は、ギガントに接近すると長槍による攻撃を行う。しかし、鋼鉄製の大型輸送機に槍が通用するはずがなく、騎兵隊はすぐに後退した。精鋭の兵士たちは、ただギガントの装甲に愕然としている様子だ。


「さすが鋼の装甲を持つだけあって、物理攻撃では分が悪いか……。何という硬さだ!」


 悔しそうにそう言ったのは、陛下の御前で部隊に指示を送るダスター卿だ。一見、無駄なように見えるこの戦い方は、近代兵器を知らない兵たちが、『剣や槍の効果がない』ことを知るための貴重な経験になるという陛下の思惑があった。


「ご苦労だった、ダスター卿。疲弊する前に兵を下げ、ジャスティン導師の魔導隊と前線を入れ替えよ!」


「御意」


 陛下は満足そうにダスター卿を労い、ジャスティン導師に前線に出るよう命じた。


「ダスター卿、後は我らに任せよ。対象は、あれだけの損傷を受けているのだから、あの飛行船とやらも無敵ではないはず」


「むぅ……。あんな鉄の塊が相手ではどうにもならん! ジャスティン導師、前線をお頼みいたします……。騎兵隊、歩兵隊、撤収ーっ!」


 ダスター卿は、ジャスティン導師に返事をすると、大きな声で兵たちに撤収の号令を掛ける。撤収する兵士たちと入れ替わるように、今度はジャスティン導師を先頭に、三名の宮廷魔術師と弓を構えた魔導隊が前方に出た。


 魔導隊と言っても、実際に呪法が使える者は、ジャスティン導師を含めて四名しかいない。他の五十名ほどの隊員は、弓術に長けた衛兵たちで、錬金術で精製された戦闘用のオーブを矢の尖端に装着して攻撃するのだという。


 ジャスティン導師と三名の宮廷魔術師は、呪法を使って氷の塊を作成し、ギガントに向けて飛ばし始めた。ただ、彼らの呪法の射程距離は短いようで、五十メートルほどまで接近している。氷塊が命中したコクピットの風防や壁面の鉄板は、白く凍りついて、それなりの手応えを感じたようだ。


 その後、ジャスティン導師たちの少し後方から、弓を構えた魔導隊によりオーブが装着された矢が放たれ、一斉にギガントに向かって飛んでゆく。


 強い燃焼をもたらすオーブが取り着けられていたのか、矢が命中したギガントは、あっという間に炎に包まれた。三十秒程経過すると炎が消え、熱で変形したギガントの右翼が折れて地面に接地した。


「お見事! さすが、錬金術が盛んな東フェルダート地方の魔法兵器です! この火力なら、状況次第で敵の戦車すら撃破できるかもしれません!」


 拍手を送りながらレンスターの魔導隊を賞賛したのは、ヘニング大尉の参謀的存在であるノイマン中尉だった。ノイマン中尉は、四小隊の戦車長で、昨日親睦を深めたシガンシナ曹長の上官だという。


「お褒めいただき光栄だ、ノイマン中尉。ジャスティン導師も喜ぶであろう」


 陛下がジャスティン導師に代わって礼を述べた。


「さて、ノイマン中尉、ハールマン少尉。レンスター軍の演習が終わるようだ。次は我々の番だ。直ちに乗車し、エンジンを始動させよ」


「「了解!」」


 ノイマン中尉とハールマン少尉が、ヘニング隊に敬礼してそれぞれが指揮する戦車へと向かって行った。


「シュトラウス少尉は、レンスターの要人や兵士たちに、砲撃音に備えて耳を塞ぐよう広報してくれ。それから、軍馬が暴走するといけない。しっかりと固定された物に繋ぐように伝えなさい」


「了解です、ヘニング大尉」


 キアラもヘニング大尉に敬礼し、部下を連れて指示通りに、レンスターの要人や兵士たちの元へと広報に向かった。


「それでは、陛下。我々戦車部隊の演習をご覧ください。激しい音がいたしますので、しっかりと耳に手を当てて防音対策をお願いいたします」


「承知した、ヘニング大尉」


 陛下がヘニング大尉に頷くと、大尉は自分が車長を務める戦車へと向かって行った。戦車がエンジンを始動すると、腹に響くような重低音が響き渡る。そして、キュルキュルと金属が擦れ合う駆動音と共に、無限軌道が動きだして戦車が前進を始めた。


 並走して前進する二輌のⅢ号戦車。その統率された圧巻な動きと響き渡るエンジン音を見聞きするだけで、レンスターの騎士や兵士たちは落ち着かない様子だ。


 三十メートルほど前進したところで戦車が停車する。その後低いモーター音が鳴り、砲塔が徐々に旋回して、遠く離れたもう一機のギガントに向けられた。標的までの距離は、五百メートル以上離れているだろうか。


 やがて照準が定まると、上半身だけ砲塔から身を出したヘニング大尉が、右手を標的に向けて振りかざした。


 次の瞬間、凄まじい砲撃音が轟いた。その衝撃で、周囲の空気が一瞬揺れる。そして、二輌の戦車から一斉に放たれた榴弾は、一秒経たないうちに目標に着弾して爆発を起こした。


 何が起こったか理解できていない兵士たちから、悲鳴に似た叫び声が上がる。周囲を見渡すと、レンスターの軍勢は驚きの余り、ほとんどの者が地に伏せているか動揺して転倒していた。耳を抑えながら地面に伏せて(うずくま)る者や、腰を抜かして怯えている者すらいた。騎士たちも、暴れる軍馬を宥めるのに必死のようだ。


 一方、二輌の戦車は、そのまま約十秒毎に砲撃を続け、それぞれが五発ずつ砲撃したところで一旦砲撃が止められた。しばらく経つと、榴弾によって生じていた黒煙が、海風に流されて視界が広がる。標的にされたギガントは、合計十発の榴弾を浴びて、原型を残していない。ただ、地面に転がる残骸から炎と煙が立ち上っている状態だ。


「何と言う……、破壊力だ……。これが戦闘用の鋼鉄竜の威力だというのか?!」


 公王陛下は、椅子から立ち上がって戦車の破壊力に一驚し、声を震わせながら呟くように言った。


「はい、陛下! 戦車は主砲以外にも機関銃が備えられていますので、対人戦でも活躍します。それに、装甲は標的に使われた巨体の飛行船より分厚いので、盾にもなるんです! 通常の銃弾なんて弾き返しますよ」


「ほほう……。それは頼もしい限りだ」


 俺の隣で目を輝かせている幸村は、興奮冷めやらぬ様子で公王陛下の言葉に説明を添えて相槌を入れている。公王陛下は、そんな得意気な幸村の説明を頷きながら聞き入っていた。


「これが……、鋼鉄竜の咆哮なのね。これ一台で砦を簡単に落とせるって、ユッキーが言っていた意味が納得できたわ……」


 口元に両手を当てながら呟くように言ったアスリンも、奇麗な緑色の瞳を見開いて戦車の破壊力に驚いているようだ。彼女は、銃や機関銃を知るだけに、地面に伏した兵士たちと違って落ち着いている。しかし、それでも砲弾の音と破壊力が想像以上だったのだろう。かくいう俺自身も、本物の砲撃なんて初めて見たので驚きの方が強かった。


「大戦時の旧式戦車って言う割に、凄い砲撃音と威力だな……一昨年幸村と見に行った松本の自衛隊祭りより迫力あるよ」


 大破していたとはいえ、あれだけの大きさの輸送機が、僅か一分足らずでバラバラになってしまった。その攻撃力は、本当に凄い。


「大戦中の戦車だけど、Ⅲ号戦車の威力だって相当なものだぜ? ハルが破壊したⅣ号より旧式だけど、ヨーロッパ戦線やアフリカ戦線で、大戦中期まで最前線で活躍した車両なんだ。で、あっちのはⅡ号な」


 幸村は、二輌のⅢ号戦車に代わって、猛スピードで走り始めた小型の戦車を指差して俺に言った。俺は、戦車が全速で移動する姿を見て、今度はその速さに驚かされた。七十年以上昔の性能だというのに、時速にして四十キロメートル以上の速度を出していると思う。


 全速で走るⅡ号戦車は、そのまま走行しながら小型の砲塔を旋回させる。Ⅱ号戦車の砲塔についた主砲は、Ⅲ号戦車のような戦車砲ではなく細長い機関砲だ。そしてⅡ号戦車は、走行したまま浜辺に立てられたギガントの尾翼部分の鉄の壁を目掛けて連射し始めた。


 Ⅱ号の機関砲は、ガンガンガンと激しい音を立て、一秒間に二、三発連射しているだろうか。機関砲に撃たれた尾翼部の壁は、貫通して瞬く間に穴が増えてゆく。やがて穴だらけになった標的は、自重に耐え切れずに崩れ落ちた。


「Ⅲ号の砲撃と比べるとちょっと地味だけど、それでも移動速度も速いし破壊力がありそうだな……」


 俺が見たままのⅡ号戦車の感想を幸村に言うと、相変わらず得意気な幸村が解説付きで説明を始める。


「そうそう、高い機動力と機関砲の連射を売りにしているのがⅡ号の特徴さ。あの機関砲の貫通力は割と高いから、側面の至近距離から撃てば重戦車の装甲だって貫通できる。中で乗っている搭乗員を撃ち抜けば、格上の相手だって倒せるんだぜ!まぁ……、そこまで近づければ、だけどね……」


「へぇー……。やっぱりユッキーって、こういうの詳しいのね」


 公王陛下の側らで彩葉が、幸村の戦車の知識に感心している。


「バイオリンの演奏以外のボクの趣味と言えば、小学生の頃からオカルト雑誌や軍事雑誌を読むことだったからね……」


「戦車が動くところなんて初めて見たけど、本当に凄い威力……。でも、敵は同じ戦車を何倍も持っているんでしょう? そうなると、どんどん先手を打って行かなきゃなのかな?」


「そうなると思うな。あんなのに攻撃なんてされたら、ひとたまりもないし……。攻撃される前にどれだけ潰せるかだと思う」


 溜め息交じりに言った彩葉の意見に、俺は相槌を入れた。


「でも、敵はレンスターの訪問騎士団のことを知らないようだし、きっと最初の一戦が大事になるね。敵から戦車を奪えたりすれば、逆転のチャンスだって十分あるかもしれないしさ」


「奪うって……。でも、完全に不意を打てれば、案外いけるかもしれないな」


 大胆な発想だけど、幸村が言うように敵の戦車を奪えば、現状では車輌数が劣っているけど、それなりに対等の数で戦えるかもしれない。


 俺たちが演習の感想を語り合っていると、戦車のエンジン音が近づいてくる。音の方に目を移すと、三輌の戦車が悠々と戻って来るのが見えた。


「さて、ダスター卿。いつまでも地面と仲良く遊んでいる場合ではないぞ? まだ地に伏せて休んでいる我が兵たちを立ち上がらせ、戻って来る鋼鉄竜を讃え迎えるのだ! 彼らは我らレンスターと共に共闘を誓った誇り高き同胞たちである!」


「御意!」


 公王陛下の言葉で我に返ったダスター卿は、尻もちをついた状態から慌てて直立し、レンスター式の敬礼で陛下に応えた。そして、陛下の指示通りダスター卿は兵たちを叱咤する。


「諸君! 我らが同胞、訪問騎士団の鋼鉄竜を見たであろう! 彼らの戦闘力を讃え、盛大なる拍手を!」


 ダスター卿の言葉で我に返った兵士たちが、次々とその場で立ち上がり、戦車の列に割れんばかりの声援を送り始めた。


 近代兵器の圧倒的な破壊力を知ったレンスターの軍勢。戦闘用のオーブが近代兵器を相手に効果が得られることを知った訪問騎士団。双方の戦力を確認できたこの演習は、大成功と言っていいと思う。


 今確実に言えることは、近いうちに戦争が始まる。戦うことが怖くないと言ったら嘘になる。でも、何もせずに大切なものを失ってしまう方が俺は怖い。いざとなれば、俺には堕ちた天使の力を受継ぐ雷撃の呪法がある。俺たちはたったの三人で、武装親衛隊の戦車小隊を撃退したことがある。今度は三人じゃない。きっと何とかなるだろう。


 この時の俺は、自分の呪法にどこか自惚れ、楽観的に考えていたかもしれない。この先の戦争が、戦力差通りの厳しい状況になることを俺は知る由もなかった。

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