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地獄の日々の始まり

「即金とは豪気ですなぁ」ワイズは俺から金貨を受け取るとそういった、相変わらず持ち上げる奴だ。


「何時から使用可能でしょうか?」



「管理は行き届いております、今日からでも入ってもらって構いませんよ。そういえば聞いてませんでしたが、何のお店を開かれるのでしょうか?工房があるという事は武器屋でしょうか?」



「料理屋だよ。鍛冶屋の真似は俺の趣味だ。武器は腕が無いから売らんが、素材を使いやすく整えて売るくらいはするかもな」



「是非寄らせてもらいます」



 契約書と鍵を貰い、二人と合流して、新居に向う。



 管理は確かに行き届いており、埃一つ見当たらない。維持だけで凄い金がかかると思うのだが、それとも買うと読んで昨日徹底的に清掃したか。どちらにしろありがたい。



 この物件は工房もさることながら、キッチンの出来も素晴しい。窯があるのが特に良い。



 その日はひたすら、準備に明け暮れた。



 使われてない部屋が3つ。その一つの壁に転移符を貼り付けた。これでルイは行き来が出来る。



 ここからが地獄だった。昼は二人に料理を教え、今はピザ生地とパン生地の作り方がメイン。夜は・・・



「いいね、何故かは知らないけど、君は丈夫なようだ」そう言ってその小さな体からは、想像ができないような重い一撃を俺に食らわせてくる。



 希望の破棄者を筆頭に、様々なスキルで身を守ってもボロボロ、何度も意識を刈り取られた。しかも十二分に手加減している節がある。



 防御だけではまずいと、手を出すが、受け流されそのままの勢いで、顔面を殴りつけられた。



「おーい起きろ~。やりすぎたかなぁ」なんとも不穏な言葉に目を覚ます。



「あまりに綺麗に入ったから少し心配したよ。最後のアレは記憶にある?」



「覚えてますよ、気持ち良いくらいに流されて、打ち込まれた」初日からこれはないだろに。



「それは僥倖。あれが、剣術でも武術でも僕の流派の基本であり奥義だ。次は剣術行こうと思うが?やれるかな?」



 鬼がいる。性別がどちらか分からない子鬼がいる。酒呑童子だって、あんなの相手じゃ逃げ出すはずだ。



 練習用に渡されたのは竹光だ、竹で出来た刀。あくまで飾り物、実践で使うものではないはず。



「切れはしないけど、かなり強力な付与魔術を仕込んでるから、遠慮なく振り回してね。まずはその身で受けてみよう」



 まもなく模擬戦は始まった。



 ルイは鞘から抜かない。基本的に、鞘と柄を棍術の様に扱ってくる。そのくせ、こちらが隙を見せるとすぐに居合い斬りだ。こちらから切り込んでも、無手のとき同様、鞘で受け流してからの居合い。



 かなり癖のある剣術だが、自由度が高く隙が無い。なにより、受け流されるのと居合いの構えが一連の流れ、更にこちらは流されることで、防御が出来ない体勢にされる。実践だと思うとこれほど恐ろしい物はない。



 酷くスパルタな方針であったが、これはこちらから頼んだ事だ、仕方が無い。しかしだ、ボロボロになる事を見越して、ルイが連れて来たレイナがうっとりした表情でルイを凝視している。



 物凄く噛ませ感があるのはどうにかしたい。




 噛ませキャラで定着とかは止めたい。卒業はいつになるやら。







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