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いや~メデタイ

「一年で金貨7枚になります」結構な値段だ。


「因みに完全に買い取った場合は?」



 ワイズは書類を見ながら、難しい顔で思案する。



「参考までに、お客様が購入された場合、どう扱うおつもりでしょうか?」



「店を開こうと思うんだが、まずかったりするのか?」



「いえいえ、商人用の税を払えば何の問題もありません。値段は年間金貨2枚、住民税が金貨1枚です」



「結構安いな」



「そうですとも、この町は出入りする商人には少しお高めですが、畜産業を守る為ですから仕方ありません。その代わりにここで住む分には非常に安いのですよ」



「そうそう、買い取った場合ですが、お客様に限り、金貨250枚でいいですよ」



「安いな、理由を聞いても?」



「単純な話です。良い目を持つお客様が商人であって、尚且つ商いをする。投資と思えばこそですよ」



 妙に俺の評価が高い。物件自体は問題は無かったし(鑑定の乱用結果)



「仲間もいますので、一人で決める訳にもいきません。今日決断を出して、明日伺わせてもらいます」



「心よりお待ちしております」



 どちらにしろ、二人に相談は必要だ。空の具合からして良い時間だろう、そろそろギルドに向うか。



 ギルドに付いた時既に二人は席にいた。しかし、様子がおかしい。複雑な表情を浮かべている。



「待たせたか?」



「僕達も少し前に来た所だよ」



 ミルはだんまりか。



「まぁ良い。とりあえず宿は確保した。そこでその、なんとも言えない複雑そうな面の理由でも聞こうかね」



 命に関わる程の事ではないだろうが、間違いなく面倒ごとだ。




 一応3部屋取っていたが、とりあえず俺の部屋に集まり事情を聞いた。



 聞いた。そして俺は、顔を引き攣らせながらこういった「オメデトウ」




「本当にすまん、まさかこんな事になるなんて」



「やる事やってりゃ、そりゃ出来るに決まってんだろうが。出来た事自体はめでたい。しかしだ、どうするんだよこれから?」



「この町で仕事をして、生きていこうと思う」



「何をだよ?後先少しは考えろよ。生まれてくるガキが可哀想だろうが」



 ・・・はぁ、大きなため息を付き「お前等今全財産でいくらある?」



「僕はギルドに金貨120と手持ちに12枚。あと装備を売れば40枚くらいにはなるはず」


「ギルドに70枚と手持ちに5枚。売れば25枚にはなると思う」




「一応提案はあるがどうする?」



「是非聞かせてください」



「今日俺は不動産屋に行ってきた。立地や建物を見て良い、物件も見つけた。値段は金貨250枚だ。お前等は200枚出せ、俺は50枚出す。それから俺はそこで前の店のような事をするつもりだ」



「お前等はそこで働いて、料理を覚えてもらう。衣食住は保障するが、給料は出さない。1年後俺は出て行く、後はお前等でどうとでもできるだろう?」



「タダ働きって」


「ミル、違うよ。ダイスさんはね、一年しかいないのに金貨50も出して。しかもあの料理を僕達に教えてくれるんだ。その価値が分からないとはいわないよね?」



「本当にごめんなさい。そして、ありがとうございます」



 昼に分かれた後二人は、ミルの具合が悪いため、病院にいったらしい。そこでおめでたいお話が聞けたようだ。



 こいつ等は悪い人間ではない。しかし、俺の対人運は心底悪いようだ。来年からはまた、ソロと来たもんだ・・・ルイさんにハイペースで鍛えて貰うしかないだろうな。

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