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前の世界にも魔術師はいたようです

「アハハハ、よもやあんな珍妙な呪術式が、あるとは思わなくてさ。気付けばこの様だった訳だよ。あの姿では魔術も行使できなかったし。本当にどうしようかと困ってたんだ」



 まずは、クレイドルに戻るべきだろう。このテンプレチートがいれば、問題ないような気もするが、ここにいるメリットが無い。


 「まずは、村に戻りましょう。色々聞きたいですし」



 村に帰る道中。当然ながら、魔物の襲撃を受けた。だが、俺達は何もしていない。枝でも払うかの様に魔物をなぎ払っていく。



「ダイスさん、あれは異常ですよ、金とかそんなレベルじゃないです」



 そりゃ紙切れが鬼の姿に変わって、魔物を蹴散らしてるんだからな。前鬼、後鬼って奴だろうか? どちらか片方、相手にでもしようものなら、俺達は全滅だ。



 帰り道は異常に早かった。



 俺の住居に皆で入り、呪いの経緯を聞いた。どうやら妖精族専門の奴隷狩りを潰してたらうっかり呪いを受けたとの事。



「この程度、どうにでも出来ると慢心していたよ。二度とないさ」と笑い話をするような軽い口調で彼はそう言った。



「とりあえず、自己紹介をしましょう。俺はダイス、こっちの優男がスロート、このロリがミル、この妙に口数が少ないのがレイナだ」



「ダイスにスロートにミルにレイナね。覚えた。私はルイ、魔術師だ」



 それからは、他の面子と色々話していた。特にスロートとレイナの食いつきが凄い。魔術師として遥か高みにいる先達である事は確かだ。見た目は除く。



 そうして、夜も深まり、次々と自分の部屋へ戻っていく。ルイは今すぐに部屋を準備出来ないので、俺の部屋を今日は使う。



 そして、二人だけになった。



「君も向こうから来たんだろ? 銃を持ち歩いている時点で、確定的だけどね」



「それはお互い様だ。そうだ、興味本位で聞きたい。元の世界には本当に魔術があったのか?」



「あるよ。君は一般人だったのか、まあ、一般人に空想上のモノと誤認させる程度には、魔術師も努力してるんだよ」



「次にこれも、興味本位だが。その見た目、やはり死んだ時より若返るのか? 俺は31で死んだが、このナリだ」



「私が死んだのは36だったかな? 見た目は死後と変わらないよ?」



「え?」いやいや、それはないだろ?どう見ても10歳児です。本当にありがとうございました。



「気持ちは分からんでもないよ。もう慣れた。新婚旅行が、はたから見たら親子旅行にしか見えないとか散々いわれたからねぇ」




「さて、私からも君に聞きたい。その銃の技術をどうして行くつもりだい?」



「自分で使うだけですよ。こんなもんは、広げて碌な事になりませんからね」




「君がまともな人間で助かったよ。この世界にくる奴は高確率ですぐ死ぬか、生きるために良心を失うかだからね」



 どんだけこの世界は世紀末なんだよ。





 

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