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秘密を一つ明かそう

 約束の日だ。俺はメンバーを連れて、魔境へ向う。前衛こそいないが、殲滅力の高い構成な上、ミルの察知能力、レイナの補助魔術。かなり楽だ。



「やはりその魔術があると楽ですね。安定感が違います」



「あまり堂々と使えないのが難点だがな」



「前から思ってましたけど、どういう魔術なんですか? 凄い火力に連射性能。大魔術には流石に届きませんが、汎用性を比べれば圧倒的にこっちが強いですよ」



「話してもいいが、生涯を通じて縛られる可能性があるぞ? それでも良いのか? 正直ギアスだけじゃ不安なんだよな」



 こいつらは信用できる。ミルは状況を把握さえしてれば、迂闊な事はしないし、後は元々思慮がある方だ。



「僕は元々、最後までこのパーティーでやるつもりですよ。魔術師として高みを目指すなら、ここ以上は無いと、勝手に確信してますよ」


「なんかそれ、プロポーズみたいじゃない? 散々馬鹿にされたけど、ようやく素直になったか~」



「真面目な話なんだ、そういうのは空気読んで、言ってくれると助かるんだが。俺の地元ではお前みたいなのをマセガ・・・ロリババアというんだ。極々狭いニーズはあるが、俺はパスだ」



「ダイスも真面目じゃないじゃん。また、酷い事言った~可愛いミルちゃんだって、流石に傷つくんだけどなナー」



「はいはい、で? どうするんだ」



「無論聞くし、ついて行くよ。面白そうじゃん」



「私もついて行く、それに今とあんまり変わらない。その魔術の危険度も理解している」



 なら種を明かすとしよう。



「じゃあ、スロートこれをもってみてくれ」


 スロートに銃を渡す。



「俺の真似をしてくれ」


 両腕で銃を構え、引き金を引いた。スロートも同じように引き金を引く。



 乾いた銃声の後、沈黙が場を支配した。これで、この三人は気付いたはずだ。自分達が想定するより遥かに、これが及ぼす影響の大きさが。



「俺が今までした行動の理由を、理解して貰えたか?」



「僕は勘違いをしていたよ、魔術ではなく、武器だったとは。しかも、マジックアイテムでもないだろう、これ」



「そうだ、こいつの名前は銃、こいつが出回れば、村人の子供であろうが、俺達を殺せる。それがどういう意味か、言うまでもないだろう?」



 皆頷く、事のでかさが分かったようだ。



「そろそろ約束の場所に着く。オーガにはできる限り攻撃しないでくれ」



 さて、これを話したのは愚かだったのだろうか? それとも・・・





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