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これから方針、クレイドル編

  また一つ、面倒な人間との縁を断ち切った。少なくとも今すぐ逃げる必要は無いだろう。だが、ここにい続けるという選択肢は最早無い。いつか面倒ごとになる。それが分かった上でここに住む気はない。




 もう少し、この村が落ち着いたら、出て行くとしよう。



 どちらにしろ、あいつらへ相談くらいするとしよう。



「という訳で、そう遠く無いうちにこの国を出ようと思う、お前等はどうする?」



「ちゃんと相談してくれるのは、嬉しいですね。前回は電光石火の如く、いなくなってましたから。当然行きますよ」



「私が付いていかなきゃ、ダイスは寂しいでしょう?」


「特に問題はない」



「それ酷くない? てか最近扱い雑じゃない?」


「もう少し色気があったら、違ったかもな、キャラの立て方を間違えた己を恨め」



 ギャーギャーいってるが、無視、無視。


「レイナ、お前はどうする?」



「行く」



「そうか、よろしくな」



「あまりに扱いが違う~差別、さべーつ」ミルは相変わらず、元気のようだ。



「区別だ」適当にあしらう。



 これで、この国を出る事は決まった。




 とりあえず、長とリュートくらいには近いうちに村を出ると伝えるべきだろう。



「うーん、それは寂しいね、もうちょっといる気はない?」



「どのくらいですか?」最近言葉遣いが荒いと自覚があるので、多少直す。


「半年から一年かな。なに、悪い話じゃない。大森林、エルフの領域を抜ければ、そこは魔境だ、魔物の格も高い。ここで自分を高めてから、出て行くのをお勧めするよ」



「それなら、私も付き合おう」リュートが言う。相変わらず、真面目な良い奴だ。



「村長、引き止める理由はそれだけですか?」



「いいや、大した理由じゃないが、これが一番の理由だ、娘が悲しむ。君、結構気に入られているからね」



 全く自覚はないが、いや、ある気がする・・・人見知りを直す為ではなく、好意からか、あの子からすれば、俺は悪漢から助けてくれた、ヒーローにでも見えたのかもしれない。



 幼い時は大したことでもないのに、変な憧れを持つ事もあるからな。すぐ醒めるのが常だが。人見知りの克服にも繋がるかもしれない。マイナスにはならないだろう。それに、地力を上げる事は必要だ。



 あの同郷の餓鬼が人間だったから、あの程度で済んだ。しかし、人間ばかりが敵ではない。スキルで対処できない場面も十分可能性はある。その為に少し長居するくらいならありだろう。



 そうと決まれば、あいつ等に、修練の提案をして、全員でプランを練る必要がある。



 この揺り篭は心地が良い、もう少しくらい良いだろう。




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