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ギアス再び

 俺がお前に何をしたというんだ? 全く往生際の悪い。暗器仕込んでやがった。しかも、たっぷりと毒がついたのをだ。


 どうなったかって?無論余裕で食らいましたよ。ぴんぴんしてますがね。自称神様ありがとう。



 当然取り押さえられ、今は縄で雁字搦めの状態だ。油断も隙も無いからな。



「で?王様、この落とし前はどうつけてくれるの? もういい加減に殺されても文句言えない状況だよな」



「流石にこれ以上は庇い様がない。好きにするが良い」



「少し3人で話をさせてくれないか?ギアスを使えば二度と話す事は無いだろうからな」



「僕は蚊帳の外かい?寂しいなぁ」軽口を良いながら部屋を出て行く。他も似た状況だ。




「さて、俺、王様、と犯罪者がいる訳だが。とりあえず動機を聞こうか?」



「・・・」



「殺してくれと言ってる訳か。良いだろう、情けを掛けた俺が間違ってたな。この類の犯罪者を殺すのは2度目だ」



「他にもいたのか?アヤのような存在が」



「ああ、いたぜ、エルフを攫って、味見して売るとか言ってた、どうしようもない屑が。そこの餓鬼も大差ないがな。同郷人の行動とは思えないような屑っぷりだ、親の面を見てみたいもんだね」




「おお、怖い睨んでも無駄さ、大体勝てない事なんて分かってるんだろう? 俺のスキルを受けたんだ、スキル詳細は誰にも言わせないがな」



「最後だ、もう一度だけ聞いてやる。嘘と判断しても殺す、生かす価値も感じない屑でも殺す。面倒なのと関わるのは嫌なんだよ、早々に縁を切りたいね。で?何故俺を殺そうとした?」




 忠臣として、それを危惧するのは当然な気がするが、あまりに極端すぎる。交渉する気すらない。初めから奪い、殺す。それだけが見て取れた。




「剣の英雄様よ」



「しらんなそんな奴」


「嘘を付くな、お前がギアスで縛って口を閉ざした事等想像は付く」凄い剣幕だ。



「ああ、あの馬鹿領主か、ギアスの縛りがあるから、何も言えないね。お前、あの領主の関係者か?道理で 力で奪うことしか考えない訳だ。得心が行ったよ」



 多少交渉しようとした分、あの領主の方がマシだがな。



「ダイスよ、この子を殺すのだけはよしてくれないか? 頼む」



「別にこんな薄汚い命なんざ欲しくかねぇよ。だがな、くだらない欲望で命を狙って来る、さっきの毒だが、俺じゃなきゃ確実に死んでた。それでも庇うのかい?命令は無視する、己が政策に邪魔じゃないのか?」



「それでも、頼みたい」



 甘いなこの人、俺ならとっくに切り捨ててる。さっき大勢いる前では好きにしろといったが、懇願できる可能性があるなら、プライドを投げ捨てて、頼むか・・・俺にできるかな?・・・難しいだろうな。



 甘い、だが嫌いではない。



「こんなのに何の価値があるのかね?俺には見出せないよ。そうだな、そいつを二度と王城から出さないでどうだ?これもギアスに組み込む」



「それで頼む」



 とりあえず、この面倒な女に猿轡をかませて、契約をさせるとしよう。情報を漏らされるのは嫌だからね。




 それから皆を呼び戻した。ガウもある程度の契約内容を書き、追加条件を足してもらった。



 追加の内容はこうだ。



 王城から出ない。


 ギアスを解除しようとしない。


 ギアスが課せられている事を話さない。



 念の為だな。



 そこまで終わって解散した。思い返して気付いたのだが、頭に血が上っていたせいか、王様にえらく無礼な態度を取ってしまっている。


 

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