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ミツケタ・・・・

 暇だ、と言ってみたい。しかし、それを許してくれる者は少ない。あれを作って、これを直して等、依頼は絶え間なく続く。対価も貰っているし、順番待ちで時間は掛かると伝えているから、急ぐ必要等無いが。性分なのだろう、抱えた仕事は可能な限り終わらせてしまいたくなる。



 気が付けば、休み無く作る事と直す事を繰り返して、夜寝る毎日だ。



 ミルは昼の間だけ働くと、定時上がりするんで後はよろしく、と言わんばかりにソソクサと帰ってしまう。ある意味頭が良いが、この裏切り者といってやりたい。



 そんな生活を3週間程過ごしていたある日、リュート達が戻ってきたのだ。100名近い屈強な戦士と如何にも高級そうな馬車を引き連れて。



 鑑定をリュートに掛けたが偽者でも操られているのでもなかった。エルフ達が慌てて事情を聞きに行く。



 どうやら、国王自ら、今回の不手際を謝罪しに来たのだと言う。ご苦労な事だ。



 賠償も当然するだろう。色々な損失より関係改善の方に重きを置いたという事だろうか。どちらにしろ、面倒ごとにならないように、俺は隠れるとしよう。




 エルフは集められ、王は皆に頭を下げた。大まかに言っている事はこうだ。


 我が国の方針としてエルフに危害を加えたり、奴隷として捕まえようなどと言う意思は無い。あくまで、王である自分の力不足でこのたびの様なことを見逃してしまったと。



 これから、地位を問わず、闇奴隷に関わる者を処断し、可能な限りエルフの解放をする。



 当然賠償は行う。




 集団で来たのは、賠償金等を持ち込む為でもあったのだろう。かなりの金額と物資をその場でさしだした。



 分かり易い誠意って事か? この世界では有効なのだろうか? エルフ達の反応は良い。



 物陰に隠れながらも、その光景を見て、意図を探ろうと集中していた。だが、それがまずかった。



「見つけた」



 声を聞き、後ろを振り返るとそこには、黒髪、黒目、色白ではあるが黄色人種、どう見ても、この世界に無いようなデザインのスカートにブラウス、更にネクタイ。どう見ても女学生。



 ここに、こんな異物が他にいるとすれば、考えられるのは、俺の先輩と言ったところだろうか?そしてこのタイミングという事は王国の関係者でほぼ間違いない。



「何を見つけたのかな?面白い物なら俺にも教えてくれると嬉しいんだがな」

 

 内心嫌な予感しかしないが、聞かざるを得ない。最悪の場合はこいつを殺さなければならない。次に悪い場合は全てを投げ出して逃げる、だ。



 今は相手の出方を見るしかない。






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