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商売を再開する

 数日が過ぎた。俺は村人の需要を調査し、金属を扱える俺に何を求めているのかを調べた。結果、鏃、調理器具、刃物と言った具合だ。



 一番希望の多い鏃は非常に楽だった。面倒を避けるため事前に普段使いの物を見て、後は持ってきている鉄をその形にするだけの簡単な仕事だ。練成師様様である。



 1000を超える鏃に50組程度の調理器具。それと20ほど作ったマチェットとダガー。




 物は試しと翌日店を開け、販売すると物凄い勢いで客で溢れ、昼時には店に何も無い状態だ。繁盛、繁盛。ひとつ問題があるとすれば、この村には通貨が無い。



 事前に市場調査をしているから、対価に問題は無いだろうが、物々交換にならざるを得ない。果実や皮、宝石や希少金属の欠片等査定に時間がどうしても掛かってしまう。



 それより驚いたのはカカオがあったことだ。そこまで温暖とは言えない、この森で何故あんな物があるのか見当も付かないが、これはいずれチョコレートを作れるかもしれない。


 おっとこれは現実逃避だ、人手不足をどうにかしないと・・・








 その頃スロート達は森にいた。リム達は一番可能性の高い、山を越えて隣国へ行くルートへ向かった。しかし、スロート達がそっちへ向った等とは欠片もおもっていなかった。何故ならダイスが追っ手を想定していないとは思えなかったからだ。



 抜けた所はあるとはいえ、基本的に用心深い彼が、あの魔術の露呈を前提にして、そんな安直なルートを選ぶはずが無い。そうなると一番目撃される可能性が低い、大森林を抜けていくのが、自然な流れだ。



 スロート達は彼が通った道を見つける事は容易いと考えている。何故なら・・・



「スロート、ミルこれを見て」レイナが指差したのは一本の木、そこには指より小さな穴が貫通していた。銃痕である。



「間違いないね、こっちで当たりだ」



 この森はエルフの領域まで非常に魔物の出現率が高い。残念ながら、ダイスでは魔術無しでは、切り抜ける事は不可能。それを見越してスロート達は痕跡があれば当たり、見当たらなければ引き返す、そのつもりで一番可能性の低い大森林ルートを選択した。



「こっちにもあったよ~」どうやら真っ直ぐ進んでいるようだ。太陽の位置でしか分からないが大まかに直線に進んでいるのであろう。



「でもこのまま進むとエルフの領域についてしまうね」



「いいじゃん、そこにいれば儲けだよ」


「どちらにしろ補給はしたい」




「じゃあ、とりあえずエルフの揺り篭へ向かおうか、歓迎はしてくれないだろうけどさ」


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