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フラグ

 フラグというものを、皆は御存知だろうか?有名どころで言えば「この戦争が終わったら結婚するんだ」等が上げられる。この場合は死亡フラグだ。



 フラグなんてオタ共が言っていただけのネタだと思ってた。馬鹿なメンバーがドヤ顔でオーガの死体を見せびらかすまでは。何が言いたいかって?この上なく目立ってしまったって事だ。



 慌てて隠すも、とき既にお寿司・・・古いな、遅し。町中、そしてこの町で目の役割をしてる連中にも十分、伝わっただろう。




 やらかしたのはリム、ガイ、ミルの脳筋とお気楽トリオだ。



「なぁ提案なんだが。オーガも全部お前達にやるから、全部お前達の手柄にして、俺は見てただけって風にはならないか?」




「無理無理、実際倒したのはアンタだし、私達じゃ同数までが限界なんて事は皆知ってるわよ」



 目の前が暗くなる。やられた、それが狙いか。



「裏切ったな」



「なんでそうなるのよ?アンタの名誉よ。素直に受け取りなさい。私は嫌よ。人の手柄を横取りなんて。それに、それだけの力を持ちながら武勇を隠すなんて気に入らないわ」



「了解した。お前達とはここでお別れだ。これ以上は無理だ。信用できない。オーガは手切れ金だもっていけ。そして二度と関わるな」



 そう言い捨てて、ギルド長室に向う。



「やあ、随分殺気立っているが、何かあったのかい?」



「まずは、報告だ。今さっきパーティーを脱退した。理由は言うまでもないな?」



「言うまではありますよ?まだ、オーガの件での偵察も聞いてませんし」


「お前の娘に裏切られた。討伐したオーガを全て下で皆に見えるように見せてくれたよ。24体全部な」



「それが?」



「あの連中じゃ、同数までが良い所って言うのは皆知ってるそうだな」


「そうですね、その辺が銀では限界でしょう」



「必然的に最低でも、差分は俺の手柄って思われるのは道理だよな?」



「それは凄い。どんな魔術を使ったんです? 是非御教授願いたい」



「やっぱり、後ろ盾なんてなる気は全く無いんだな。確かに奴等は俺の行動を人に言えない。だが、俺を表舞台にたたき出す事は容易い。俺はとことん人を見る目がないらしい。お前の差し金だろ?」




「まさか?ウチの娘たちが暴走したのは謝ります。しかし、私にも娘にも、そんなつもりは無い。これだけは言えます」



「頭に血が上り過ぎたみたいだ。悪いが明日は店を休む。冷静に考え直してみるよ」



「それが良いでしょう。何を抱えてるかは知りませんが、相談にはいつでも乗ります」




 こうしてギルドを後にした。店に入り、全てを施錠し、誰も入れない環境を作り、俺はただ、片付けた。今夜にもこの町を出て行く為に。俺が使ってる物が物だ。これは他に渡す訳には行かない。


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