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領主に御同行願ってみた

 俺は領主にもう一度銃を向けた。領主は短い悲鳴をあげ、目をつぶった。いくら鍛えようと未知の恐怖には耐えられなかったようだ。案外金というランクは、大したものじゃないのかもしれない。



 同じ立場なら、俺も多分似たようなもんだろうが。こいつに同情の余地は無い。俺は無防備な領主を机に叩きつけ、隷属の首輪を領主に嵌めた。



 別に奴隷が欲しい訳ではない。見栄えも良いし、下種ならこの後の展開は想像に難く無い。だが、俺はそう言う人種ではないし、そもそも経験が少ない俺にそんな度胸は無い。



 じゃあ、何故これを付けたか。鑑定して効力が分かったからだ。



 内容はこうだ。




 隷属の首輪・・・着けられた者は、使用者の命令に逆らえない。特殊な技能を持つ人間か使用者本人以外はこれを外すことが出来ない。




 まずは事情を説明してもらおうか。「さて、領主様。状況はお分かりですね。これから一切の偽りを禁じる」




「何故こんなくだらない、下種貴族の真似事を?」



「貴方を脅威と感じたから」



「具体的には?」


「技術、そしてその魔術」



 成る程、先見の明があるからこそ、そう感じたか。これは俺が愚かにも物を作った事が原因だろう。



「それだけですか?」



「王命で作る事になっている街を、より良く作れると思った」



 まぁそんなもんだろう。



「この館を出ます。首輪が隠れるようにしてください」



 領主は命令どおり、マフラー?のような物を巻いて扉を開けた。



「部下には我々と共にギルドへ条件を詰めに向かうと伝えて、着いてきてください。余計な事や俺の不利になる言動は禁止します」



 外にでるとハンスさんが待っていた。



「私は今からダイスさん達と条件を詰めに、ギルドへ向かいます。付き添いは不要です」



「ガイ様とミル様をお連れします、少々お待ち下さい」



 よし、ここまでくればほぼ、クリアだ。



 4人で館を出てギルドへ向う。目的はギアスだ。この領主はマシな部類の領主だ。こいつを殺したらお尋ね者になる上に別の領主が来る。良い事等一つもないのだ。ならば、この領主を契約で縛ってなにもさせなければ良い。


 この領主自身に痛手はないはずだ。俺に敵意はないのだから。ほっといてくれればそれで良い。



 いや、これは言い訳だ。まだ人を殺すのに抵抗があるから、他の方法を考えたいというのに過ぎない。我ながら情けない。

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