表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

378/397

余裕が気に入らない

「守人ね、そんなの久しぶりにみたわ」


 歌うように楽しそうに言う女、目線を無意識に奪われてる事に気付き我に返り鑑定を試みるも、何も見えず、最近では敵に対して殆んど仕事をしなくなった鑑定先生といわざるを得無い。まぁいいさ、こいつを殺さなければならない。



 上空のあの島に来る事ができて人語を解する存在、契約で縛るくらいすれば良いだろうが、今の所信頼なんてない。であれば消してしまうのが早い。我ながら悪党の様な。いや、悪党の思考回路だよな、そうと決まれば、銃を取り出し、女に向けて引き金を引く。




「面白い玩具だったのね、人にしては良い出来だと思うわよ?」



 乾いた炸裂音が鳴り止むと彼女はなんでもない様にそう良い、その手から弾丸をポロリと落とした。少年漫画でも昨今あんまり見ない光景だ。冗談じゃ無いどこの戦闘民族だよ。



 それから色々持ち変え試したが大口径のマグナムも散弾銃もマシンガンも当然の如く無駄、最終的にガトリングガンや対物ライフルも同じ結果で終わった。腹立たしい事に相手は微笑みながら次は無いのかと言わんばかりに悠然と立っている。お前など敵ではない、そう言われてる気さへする。



「気はすんだ?」



「いや、いま一つ試してみるとするさ」



 これだけ余裕でいてくれるならいつものような歌無しではなくゆっくりと歌わせてもらおうか。元々はそういう術式だ制度も変わる。その前にダガーを一本と刀を一本、最後に良く使う剣を一本空間庫から出す。術式が終わってからでは取り出せないからな。



 相変わらず女は興味深そうにこちらを見ている。俺が歌い出すと自分は観客とでも言わんばかりにその場に座り込みこちらの歌を聴いている。何処までも敵ではないのだろう。



 短縮も何も無しで歌い終えるとそこには原初の空間が広がる、特殊な力等一切存在しない、当然科学という概念すらもだ、生き物が生きる為の機構が備わっていないファンタジー方面の生き物は例外なく即死するある種の猛毒、まっとうな生き物の機構があったとしても、訓練をしなければ立つことすらままならない、これならあの美しい顔に敵意の表情を取らせる事が出来るだろう。



 俺は剣を鞘から抜いて女の方へ構えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お疲れ様です。 [一言] 神様の類なのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ