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会談へ

「久しいな商人殿。ただ者では無いと思うてはおったがわらわの目もまだまだじゃの」



 祖父は丁寧な話し方なのにこいつは妙な喋り方だよな。逆ならしっくり来るのに。赤い女を見ながらくだらない思考を巡らせる。



「始めまして商人殿。私が当主ですが、今回の案件につきましては父に一任し、私は補佐という形になります。なにとぞよろしくお願いします」



 そう言って礼を取る姿はまさに貴族と言った感じだ。所作がいちいち優雅だ。



「息子からの説明の通り、交渉事は私が行います。まずお伺いしたい、どのように私共を連れて行くのかを」



「そうですね、聞くより体感する方が早いでしょう。その前に最低条件として一つある。まずはそれを説明する。俺の情報を何者にも漏らさない。俺の事は知りもしないし、当然見たことも無い。そういう条件の契約も結んで貰う。そちらに大したデメリットも無い、問題ないだろ?」




「こちらとしては構いませんが、そこまでする理由が気になりますね」



「向こうの王も街の所有者も同じ様に対応してくれている。俺が動きやすい様にの計らいだ。後は察してくれ」



「それは了承します。例外としてその王と所有者はと考えて宜しいでしょうか?」



 橋渡しをしておいてそれはおかしいか、その辺はルイに丸投げで良いだろう。


「大丈夫だ、それでは移動する準備に入るが問題はないな?」



「いつでも大丈夫です」




 念話符をポケットの中に取り出し起動する。



(ルイ聞こえるか件の移民の代表者だが予定通り連れて行くぞ?)




(了解転移符の設置も万全だよ、いきなり謁見の間のど真ん中にご招待さ)



(あの王の指示か? 茶目っ気があるというか、なんというかなぁ)



(そういう王様だからね彼は、そんな事より本の続きが気になって仕方ない様だけどね。移民の件はダイスが問題ないというのであればほぼ問題なしって判断なんだろうね。暢気なものさ)



(そうかい、信頼に応えるとしようかね。それじゃそっちに向かう)



(そうそう、王様は向こうの世界のお酒に興味が凄くあるようだよ?知識ではあるけど飲んでない状態だからね)



(ルイに渡した物を渡せば済むだろ?)


(嫌だよ、数は限られているんだ。ダイスは沢山あるんだろ?良いじゃないか)



(あー分かった分かった。直接話す、それじゃあな)



 念話符を切る。



「お待たせしました。それでは向こうに行きましょうか」



 頷くのを見て俺は念話符を起動した。





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