表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

372/397

居るべき場所へ

 戻ると精霊と共にショルが待っていた。ショルが彼女を守るようにだ。



「事情は聞いたよ、これから精霊様をどうするつもりだい?」



「あるべき所に帰す。待っている者も大勢いるんでな」




「意外だね、保護するとか言い出すと思ってたんだよアタイは」



 今回は状況が違う、今回は特にだ、王族にも国民にも愛される存在だ。必要では無い所に間余計な事はしない。



「俺にも限度がある、必要ないならそれが一番だ。所で精霊よ、戻れるか?特にミューなんかは今かと待っているだろうよ」



「行きます」


 そう言う精霊の言葉には確かに力がある。これなら幾分かマシだろう。




「ならばここへ」



 精霊は俺のほうに歩み寄り、ショルの方に振り返り。



「ありがとう寵愛の子よ」とだけ言った。








 また城下町の一角から歩き出すが、精霊が隣に居るのでは目だって仕方ない。



 すぐさま大勢の人間に囲まれて、それを整理する兵士に先導される。妙に手馴れてきてる気がするがスムーズに進むのだ良しとしよう。

 


城の前まで着くと小さな何かが俺を通り過ぎていく、言うまでも無いミューだ。俺は周りの兵士に先に行くとだけ伝え魔王の元へと向かう。同時に兵士も距離を空けて護衛するようだ。









 戻ってきた、ガキの使い走りのような仕事を終えて。



「さて、魔王。これで俺に求める事も無いし、人間は最早敵になり得無い。最早この問題は収束したと言っても問題はないだろう? 終わったのであればおっさんとミューを借りるぞ。これは契約の様な物だから文句は言わせない。害は無いから安心しろ。秘密を守る為だけの処置だ」





「そなたの領地とやらか、そうだな・・・そこの名前は聞いてなかったな、ミューをここまで連れて来てくれたもう一人の男」



「私はサトウと申します」



「サトウか、ではお前に聞こう。聞いた事が契約に違反しそうなら答えなくて良い。こやつの領地とやらはこの国で全力を尽くした時より安全なのか?」




「安全でしょう。彼がいるならそれは国一つ程度ではどうにもならない程には」



 妙に買いかぶるな。まぁいいか。



「そうか、であればこれからもそなたとは交友をしたいと思う」




「稀にでよければ顔を出そう、それでいいか?」



「月に一度くらいは出せ、そなたの移動方法は分からんがそのくらいの速度は出るだろう?」



「前向きに検討するとしよう。とにかく俺には時間が無いんだ落ち着いたらもう一度来よう。だから早く進ませてくれ。ミューは仮契約魔術のみ施すが、あとで一度連れて行くぞ。このおっさんは今すぐ連れて行く。問題ないだろう?」




「そなたの配慮に感謝する。また会えるのを楽しみに待つとしよう」




 こうして俺と美しき魔王との会談は終わった。精霊もだが目のやり場に困る事でできればあんまり会いたくないのが本音だ。さて兎にも角にもルイに会うとするか。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ