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「酒と言えど下から上まであるが上の商品は流石に試飲で飲ませてやれるほどは安くないんだ」

 


 薬といっても良い。実際に売ればかなりの利益が出せる物だからな。



「ほほぅ、それは気になるね、じゃあアタイにそれを売っておくれよ。それを飲んで判断するとしよう」



「味は普通に美味い程度で値段が高いのは薬としての側面が強いからだ。妖精の実を使う酒だから値も効果もある程度理解できるだろう?」



「効能はどの程度だい?」



「病気にどの程度効くかは知らんが、外傷。腕くらいは生えそうだな」



「そこまでの代物かい。 そりゃアタイじゃ買えそうにないね。どうだい? アタイを雇うって事でその酒を売るってのは」



「雇うって何にアンタを使うんだ?」




「そりゃアタイは良い女だからね、と言いたい所だけど人間の基準じゃねぇ。冗談はさて置き、金属や宝石の細工師としてはドワーフで右に出るものは無いと言い切っても良い」



 使いようもない事は無いが。ここは試してみるか。



「最低でも俺の細工よりは上と言う認識で良いんだな?」



「人間の細工師なんかそこいらのガキでも上を行く事間違いなしさ」



 ドヤ顔で言うが苛立ちより微笑ましさの方が上を行く。



「じゃあこいつよりはマシな物を作れるって事でいいんだな?」



 ブリリアンカットの人工ダイヤをポケットから取り出し見せる。



「これは、近いのを見た事があるねぇ。でも完成度が段違いだね、アタイのとと様みたいで凄いじゃないのさ」



 親父さんがねぇ。



「なぁこの道や水車を作ったのはお前の親父さんか?」



「おっアンタは来たばかりなのに良く分かるねぇ。これだけの物を作る職人でもあるんだから同類が分かるんだろうねぇ」




 同類かもとは思うさ、自然にここまでたどり着く可能性も考えたが。重なると流石にアウトだ。流石にこいつも放置が怖いな。



「で?これ以上の物は作れるんだな?」




「悔しいがアタイには無理だね。でもアタイにはどうしてもそれが欲しいんだ」



「事情だけでも聞こうか。場合によっては互いに良い商談になるかもしれん」




 話しを聞くと、親父が腕を事故で無くしてしまったらしい。それ以来抜け殻のようになってしまったらしい。俺としては好都合だが、なんだかなぁ。



「金は無いのか?コレだけこの街に貢献したんだ、金はいくらでもありそうだが?」




「力が無くなれば、奪われる。職人の世界でも同じだよ、鍛冶系の職人はアタイの敵さね」


 


 人間もドワーフも変わらんか。




「とりあえず会わせてくれ。助からないかどうか見極めてでも遅くは無いだろう?」





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