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次の目的地

 数週間は本当に穏やかな日々だった。物づくりも嫌いではないので楽しいし、悪意や敵意等の感情を一切感じる事無く過ごせる。これは全ての世界でも有数の贅沢ではないだろうか。



 昼は歌い、日が落ちれば作り、眠る、実に平穏だ。神がたまに顔を出すが、それも歌の修練に付き合ってくれるくらいで、その他は妖精に俺の中から得た歌を歌わせて楽しんでいるくらいだ。



 嗚呼永遠に続けば良いのに。そう思うからこそ行動を起こさなければならない。問題は何処から手をつけるかだ。




 木の陰で思案していると膝の上にコボルトがダイブして、構ってオーラ全開でこちらを見てくる。顎の下を撫でながら思案を続けようとすると。





「相変わらずだねぇ、君は」




「修練か?」



「いいや、助言だよ。思惑と違えど依頼は成された。君なら確実に殺すと思ってただけに面白かったよ。報酬とは別にお礼として君の考えてるのに最適な場所を教えるよ」




「へぇ。で?そちらにどうせ旨みがあるんだろう?」




「本当そう言う所は可愛気が無いよね君。まぁそうだね、これは期待してないから出来ればで良いよ」



「とりあえず聞こうか」




「その場所はこの世界有数の鉱脈地帯、色々な物が採れる島々だね」




「島々ね」



「大きく分けて3つの島があるだけど」




「資源の奪い合いか?」




「そう言う事だね。人、ドワーフ、魔族この三つ巴だね。採掘する人員すら戦に駆り出される酷い状況でね。特に魔族は鉱物が欲しい訳ではなく食料が欲しくて戦争してるし。見るに耐えなくてさ」



「俺にどうして欲しい?」




「戦争をどうにかとは言わない。でも死者の数をもう少し減らして欲しい。このままだと均衡が崩れた時蹂躙以外の未来が見えないからね」




「報酬は出来高って事で良い。あくまでついで程度にしかやらんが良いよな?」




「それで良いさ」




「どちらにしろもう数日は動く気は無いがな。商品が足らない」




「それなら修練といこうか。膝の上の君、お友達を呼んできてくれるかな?歌おう」




 俺の膝の上から元気良く飛び出し花の平原へと向かっていく。色々面白い情報はあったが全ては見てからだ。

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